ボクハ、ナニ?
これは、どういうことなのだろうか……
目の前に広がる赤、丹、緋、アカ……
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俺はもうすぐ死んでしまうらしい
らしい、というのは闇医者が言ったことだったからだ。
毎日、薬薬薬薬の日々を続けたためぼくの内臓はもうボロボロだった。
でも、死ぬなんて真っ平ごめんだ。
死にたくなんかない。
まだ、生きたい。
そこまでは、鮮明に覚えていた。
自分の未来に絶望しながら希望にすがらずにはいられない状況だった。
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目を覚ますと人であったであろう肉塊があった。
量からして三人の死体。
てにはびこるようについた“ち”、じゅうまんするようにみたされている“におい”めまいがする……
それをみたときに感じたのは、動揺より恐怖……それも、殺してしまったことにたいしてではなく、【これで自分は助かる】と、思ってしまったことに対してだった。
あぁ、いつのまに自分は人間の皮を被った“ばけもの”となってしまったのか……
また、その死体の中のひとつにもっとも自分と相性がよい死体があった。残念ながら心臓を刺したため心臓はもう使えないが、それでも目の前に自分が助かるすべが転がっている!そう思うだけで、ぼくの中の理性はいともたやすく切れてしまっていた。
ぼくは確実に後悔するこど知っていたのに、だ。
それでも、すがらずにはいられなかった。それがぼくという人間だった。
すぐに闇医者を通じ移植手術を行った。
ぼくの心臓以外の臓器は新しくなった。拒絶反応は不思議となかった。
あぁ、ぼくは助かるんだそう思った。
しかし、現実はそう甘くなかった。
ぼくの心臓は、予想より早くに悪くなっていた。
今まで酷使しつづけてきたからだではとてもじゃないが、持たなかった。それに加え臓器の移植はさらに負担となりぼくの体を蝕み続けた。
ニゲナケレバ
何からかは全くわからなかったが、ただただ唐突にそう思った。
そして、その思考の赴くままに走って走ってはしり続けた。
しかし、逆に心臓に負担をかける結果となり、ぼくはそのまま……
しかし、それだけでは終わることがなかった。
その先に待っていたのは幸せな夢はなく、地獄での日々だった。
毎日毎日、死ぬことが許されない苦しみが続き永久に許されない罪を償い続る。
ボクハ、ナニ?