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天下波乱

越後上田庄うえだのしょうで生まれた。通説では、兼続は永禄3年(1560年)に樋口兼豊の長男として、越後の坂戸城下(現在の新潟県南魚沼市)に生まれた。


それから四年が経とうとしていた。


朝日が、新しく張られた障子によって妨げられ、兼続の目には届かなかった。


直江景綱の妹であり、兼続ね母であるお姫は、ふとんなかで丸まっている兼続に、大きい声で挨拶する。


「兼続様!朝で御座います。」


兼続は、お姫の大きな声に飛び上がって驚き、畳に頭から落ちた。


兼続は、頭を押さえながら挨拶をかます。


「おっおさよう御座います」


兼続は、四歳時とは言え名家の武士の息子であるため、礼儀はお姫にうるさいほど言われ、礼儀だけは良かった。


「お食事が出来ていますので」


お姫は、兼続に背を向けると、障子を閉めずに廊下へ行き、右へと姿を消した。


兼続は、飛び上がった時に乱れたかけ布団を整え、それを布団と一緒に四段に畳むと、両手を使って全体重を布団にのせ、力一杯部屋の角に布団をくっつけた。


普通の名家武士の子供なら、飯使いが畳んでくれるのだが、兼続はお姫の

『誠実な名将にさせる』という願望の元、ご飯以外全て自分にさせる事にした。


兼続は、荒れた息を整えると部屋を出た。


無駄に長い廊下を、兼続は慣れた足取りで小さい足を、迫り来る朝食の時間に間に合わせるように、白くて小さい足を激しく働かる。


「遅れちゃう」


兼続は、怒る母の顔を浮かべながら、冷や汗をかきながら食堂に着いた。


兼続は、食堂に着くなり食卓に腰を落とした。


机上には、橋立に立てられた箸と、焼き魚一魚に蒲鉾四きれ、白いご飯に大根が具の簡素な味噌が並べられていた。


「いただきます」


兼続は、一種の儀式のようなものをすると、箸を右手で持ち、親指と曲げた中指の横面で挟み、人差し指を箸の間に入れ、蒲鉾を一きれ口にした。


そして、口の中が綺麗に無くなると、焼き魚に箸を刺し込み、焼き魚広げるような感じで皮を破くと、腹の白い部分を取りだしご飯に乗せた。


ご飯は、出来立てだったため湯気が立ち上がっていた。そこに魚の身が乗りよりいっそう兼続の食欲を駆り立てたのだろうか、兼続はむしゃむしゃとご飯を口の中に入れた。

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