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愛されない妻は夫の気持ちを理解できない  作者: おつかれナス


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二十七 最終話 旅立ち

「ルリア、危ないわよ!走らないで!」

「大丈夫よお母さま、ちゃんとお父さまがいらっしゃるかー」

「と、ほらほらルリア。よそ見しながら走ると躓くぞ」

「お父さま!!」


 夫の元へお弁当を届けに来た私は、夫の姿を見つけ走り出した娘の手を離してしまった。

 娘はもう少しで五歳になる、少しだけ私に似たお転婆だ。


「マリーもそこ気を付けて、段差があるから」

「ありがとうケビン。お弁当持って来たの、食べれそうかしら?」

「もちろんいただくよ」


 今私たちがいるこの国は、もともと住んでいた国からかなり離れている。きっと同じ国の人は居ないだろう・・

 あの日、旦那様に突き飛ばされたあの瞬間、私はあの屋敷に帰りたくないと泣いた。

 両親も、目の前で身重の娘に対しあの行動を取った旦那様には不信感しかなく、どうしたら帰さずに済むかを考え出したその時、


「私にマリーとお腹の子を守らせてもらえませんか。必ず助けます。それには男爵夫妻のお力が必要です」


 と、声を上げてくれたのは彼だった。

 彼の考えはこうだ、直ぐにでもこの国から出国し、出来る限り遠くの国へ行き、まずはそこで安心して出産。

 子供の成長を見て更に移動するだった。


「若い頃に師匠と行った国でとても過ごしやすく、子供を育てるにも良い所が沢山あったんです。最終的にはそこで定住しようかと思います」

「そんな・・遠くに・・」


 両親は私があまりにも遠くへ行く事に躊躇った。


「伯爵には・・マリーが出産時に亡くなったと連絡してください。もちろんお墓も造ります。それで信じてもらえれば良いけど・・」


 ケビンは出産中に私が亡くなった事にすれば、旦那様も諦めるのでは?と考えた様だった。

 でもそれには両親にも嘘をつかせる事になる・・

 お父様の顔を見ればやはり良い顔はしていない。と思ったのに


「彼を説得するだけの物は用意しておくよ・・ケビンくん。娘と孫をよろしく頼みます」


 両親はケビンに頭を下げてくれたのだ。私とお腹の子を守るために・・

 両親からの了承を得たケビンは、船の旅券三枚とお墓造りを部下へ命じた。

 その一方でリズは私の荷造りを買って出てくれたのだ。


「リズはお国に帰っても良いのよ?ここまで着いて来てくれただけで充分よ」

「いいえマリエンヌ様!私は何処まででも着いて参りますわ!お子様も産まれるんです、女の手は多くても邪魔にはなりません!」


 そう言ってこの国まで着いて来てくれた。

 今日はこちらで知り合ったお友達と出掛けたいと言ったので、お休みを与え一日楽しんで来てね!と、送り出した。

 その後どうなったかは分からないし、気にはなるけれど私はこうして元の自分を取り戻しつつある。


 娘のルリアは私から見れば旦那様の雰囲気を持った子だと感じるが、旦那様を知らないこの国の人たちからはケビンに似ていると言われている。

 知らないって凄いなぁと感心してしまうが、きっとそれ以上にケビンがルリアを可愛がってくれているからだろう。

 ロータス商会もこの国に拠点を置き換えた事で、船の輸送料が減ったとケビンは喜んでいた。

 何故ならこの国は船の燃料が自然と獲れるのだとか・・

 そのおかげでケビンは、この国に学校を建てたり病院を建てたりと貢献している。


「マリー、大丈夫かい?早く食べないと無くなるぞ」

「えっ?二人でこんなに食べちゃったの?!」

「うん!だって美味しいんだもん」


 二人が美味しそうに食べてくれる姿を見て、もしあのまま伯爵邸に住んでいたら・・と、時々考えてしまう時がある。

 そんな時はマリエンヌ・ロースタインは死に、マリー・フェルズに生まれ変わったんだ!と自分に言い聞かした。

 自分が選んだ道だから後悔はしない。

 たとえ旦那様に恨まれたとしても、今が私にとって一番幸せな時間なのだから。





「ルリアは寝たかい?」

「ふふ、ナイトクルーズがよほど楽しかったみたいね。ケビンもお疲れさま寝なくて大丈夫?」


 ルリアを寝かしつけダイニングへ降りると、テーブルの上には小さなケーキとシャンパンが用意されていた。


「疲れて無ければどう?」

「喜んで!」


 二人でシャンパングラスを傾ける、とても飲みやすい。きっと私に合わせて選んでくれたんだと感じる。

 ケビンはずっとそうだった、自分よりも私を優先する。そして、自分の本当の子でもないルリアを・・


「ねぇケビン、どうしてここまで良くしてくれるの?もちろん貴方の愛を疑っている訳では無いわ!でも私・・そこまで尽くしてもらえるような女じゃ」

「自覚あったんだ?」

「えっ?」


 アハハと笑いながら うそうそ!と誤魔化す。

 私は本気で聞いたのに!

 するとケビンは私の左手を握りながら


「一度は本気で諦めたんだ・・相手は伯爵、大貴族様だ。いくら財があっても適うはずがないと。でも、伯爵邸で見たマリーはとても辛そうだった。笑っていたよ・・無理やりね。でもあれは幸せな笑顔じゃない」

「・・・」

「そしたら、諦めた気持ちが無くなってた。いつか、取り返してやる!!って」

「人を物みたいに・・でも、確かに辛かった。でもそんな中でも、ケビンと会えた日は幸せだったわ!本当よ!」

「!!マリー、その笑顔はダメだ。俺の理性が・・」


 夫婦になって丸四年。

 私たち家族はまだこれから長い時間を共にして行く。もちろん家族も増やしたい・・


「ねぇケビン、私からのお願い聞いてくれる?」

「・・・この際何でも言ってください。旅行?それともパーティーに参加したい?」

「ふふ、それも魅力的だけど・・」


 私は立ち上がりケビンの側まで行くと、そっと耳元でこう囁いた・・


「ルリアに弟妹を作ってあげない?」


 と・・

何とか、何とか最後まで書き上げることが出来ました!!

途中、昼間の仕事が忙しく書けなかった日もありました!話が上手く繋がらず、書いては消しての繰り返しの日もあり、最後はインフルエンザ・・

でもインフルエンザのおかげで自宅待機となり、集中して書けたのは良かったのかな?

最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!

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