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愛されない妻は夫の気持ちを理解できない  作者: おつかれナス


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二十三  衝撃 アベル

 伯爵邸に戻って二月、そろそろマリエンヌも出産を迎える時期だろうと思っていたある日、男爵邸より手紙が届いた。

 あの日、男爵領を去る日にマリエンヌ宛に手紙を渡したが結局彼女からは返事が届く事は無かった。

 衝動的とはいえ突き飛ばした事は悪いと思い、手紙で謝罪したのだが、その返事も来なかった。


 俺はベルナールより手紙を受け取るとその場で封を開いた。


「そんな・・ベルナール!急ぎ馬車を・・いや馬を用意しろ!」

「どうされました!手紙には何と?」

「マリエンヌが・・出産時に亡くなったと・・」


 とにかく急ぎ男爵領へ向かわねば!今から出れば明日の夜には着くはずだ。

 バタバタと準備をしているとその異変に気付いたジュディが部屋へとやって来た。


「旦那様、お出掛けですか?」

「・・ああ、ルッツ男爵領へ行ってくる」

「まぁ!もしかしてマリエンヌ様が?」


 嬉しそうな顔で言ってきたジュディに本当の事を伝えよか悩んだが、まだ本当に亡くなったか分からない状態で伝えるのも酷だと思い、


「難産らしい・・君の時は楽だったのにな」


 と濁した。


「まぁ旦那様!お産に楽なんてありませんわよ!とにかくお気をつけて行ってらっしゃいませ」


 カリスと共に見送られ屋敷を出ると一目散に馬を駆けた。後ろのベルナールに何度も何度も注意をされた。

 馬が持ちません!と。

 わかっている、頭ではわかっているんだが心が先へ行こうとしてしまう。

 もう二度と大切な女性を失いたく無いんだ!



[貴方は誰?どうしてここで寝てたの?どこから来たの?]

[ぼ、僕は知人を探しに来たんだ!]


 なぜ俺はこんな昔のことを・・夢か?でも、出会った時のマリエンヌだな・・

 こんな夢を見ている場合じゃ無いのに、早くマリエンヌの元へ行かねばならないのに・・でも今見ている夢が懐かしくてもう少し見ていたい気持ちになってしまった。


 俺は産まれた時から伯爵家の嫡男で、母親とは直ぐに引き離された。その代わり乳母が当てがわれた。

 名をレインと言った。

 レインは子爵家の妻だったが子が亡くなり、子爵家から追い出される所を伯爵家に拾われたと言った。

 貴族の娘で貴族に嫁いだ娘。

 子を失った女と、実母から引き離された赤子は自然とお互いに無くてはならない存在となるのに時間がかからなかった。

 とは言え出しゃばる事もなく、母とも良好な関係だったと聞いた事がある。


 だが、そんな関係を簡単に壊してしまう事件が起きた。俺が十歳の時だ、俺の部屋にいきなり現れたと思ったらレイン目掛けて花瓶を投げつけた。

 すぐ後ろに俺が居たのに・・

 レインは動く事が出来ずその身で花瓶を受け止めた。額から流れる血に俺はパニックになったが、母はそんな俺の事など眼中にない程怒っていた。

 裏切り者!

 ドロボウ猫!

 もともとそれが目的だったのだろう!

 汚らしい!

 今すぐこの屋敷から出て行け!と・・


 レインは俺に頭を下げると、母に言われたように屋敷から出て行った。

 レインを追いかけようとしたが部屋からは出るなと言われ、仕方なくベッドへ横になったがその夜は眠れなかった。

 次の朝、今日からは従者とメイドを付けると言われレインの事を聞いたが睨まれて終わった。

 誰に聞いてもレインの事は教えてもらえなかったそんなある日、メイド達が話しているのを聞いた。どうやらレインは故郷に戻り再婚するらしいと・・

 再婚する前にどおしても会いたかった俺は考えた。

 レインの故郷は遠く子供の足ではまず無理だ。


 そんな時、馬の調教師が辞めさせられると耳にした。これしかない!

 俺は急いでその男の元へ行くと有り金全てを渡し、俺を馬に乗せてオットー男爵領へ連れて行って欲しいと頼んだ。

 最初は何色を示したが父上に不満があったのだろう。何度か頼み込むと了承した。

 さすがに馬は外から購入してきたが、男は直ぐに動いてくれた。

 男は父に不満があっただけで俺には罪は無いと言って、道中は親切にしてくれた。

 そして・・


「坊ちゃんオットー男爵領に着きましたよ。会いたい人が何処にいるかご存知で?」


 俺は頭を横に振ると、男は困りましたねと言って街へと足を進めた。レインは男爵令嬢だったと聞いたから居るなら領主邸のはず。

 足を運ぶに連れ気付いたこと、それはオットー領はお世辞でも栄えているとは言えず、領民達も痩せ衰えていた。

 

「ここの領主は何をしているんだ?」


 さすがの男も呆れ顔だ。

 何とか領主邸まで来たが誰も居ない・・

 周りを見ると人だかりが・・


「誰か亡くなったんですかね?ほら、みんな喪服を着ていらっしゃる」


 男が指差す方を見れば確かに喪服を着た人達が並んで歩いていた。

 このまま屋敷の前に居ても誰も出て来ないのなら、と後を付けて行った。

 そこで俺は見てはいけない、聞いてもいけない真実を知った。


「レイン・オットーに安らかな眠りを・・」

アベルがマリエンヌに執着した理由をやっと入れる事が出来ました!

もう少し続きますが子供にインフルエンザをうつされ手が止まってしまいました!

穴を空けないよう頑張ります!

予定では残り四話です!

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