第二幕:冒涜の詩
やあ、君。自分の信念を貫くことについてどう思う?貫くことで周りを傷つけて、自分を傷つけて、結局は何も変わらないことになるーーやる意味はあるんだろうかーー。
第一幕では、教師と同級生との関係をめちゃくちゃにしたジョンの様子を見た。
「ジョン・ミルトン!これ以上の授業妨害は許さんぞ!」と教師は鞭を振り上げた。
ジョンは少し後ろに下がって、教師を睨みつけた。
「よく聞け!怠慢の徒め!
神は貴様の行いを情けなく思うだろう。教壇で貴様が、我々に対して、背信の教えを、繰り返し指導することを!恥とせよ!悔い改めよーー」
そうして、彼は再び歌い出した。
無知とは大罪、よく聴けよ
仮にも神を教える者が
安易な想いで意味変える
変えた言葉で
偉そうに
教壇居座り
鞭を取る、
口から出るは浅知恵よ
貴様が地獄の尖兵ならば
堕ちた翼の大将に
ほめられ褒美をもらうだろう!
何せ貴様はお気に入り
股を開いて大将呼んで
腰を振ってもらうのさ
地上じゃお堅い貴様の顔も
地獄の底ではーー
ジョンの甲高い声で歌われた詩は、
教師に最後まで、
語らせてもらえなかった。
教師は容赦なく鞭を振り上げて、ジョンに向かって走ってきた。
もっと理性的だと思ったと、ジョンは後悔した。
彼は即座に退却を決め込み、
学校にある彼の秘密の隠れ家へと逃げ出した。
教室の中は、慌ただしかった。
何人かの生徒が顔を見あわせて大笑いした。教師は、これから先、彼の詩をもってからかわれる事になる。
クライスツ・カレッジの貴婦人の詩によってーー。
さてーーこの事により、ジョンは停学か退学かを選ばされることになる。
それは、また別の話だ。
秘密の隠れ家は小さな部屋だった。
窓が一つ。絨毯はない。床には木板が剥き出しになっていた。
もしかして物置きとして使う予定なのかもしれない。でもジョンには関係なかった。
中央にテーブルと椅子が置いてあった。彼が用意したんだ。
テーブルの上にはボロボロの聖書が置かれてある。書き込み、紙を挟み、若い熱情が刻まれた聖書だ。
彼はしばらく、それに触れていた。
「ーーボクは正しい事をしたんだ。」
彼は自分の学んだ事を伝えたかった。
なのに理解されない。
彼らは理解しようとしない。
「腐ってしまった。何もかもがーー手遅れなのかもしれないーー」
彼は呟くーー悲しげに。
誰のせいで?
神を言葉を変えたのは、誰?
彼は、すぐに答えをだした。
「神の詩人が何者ぞーー」
一つしかない窓ガラスが静かに揺れた。
太陽が雲に一瞬だけ隠れた。
窓に差し込む光が、ジョンの影を作った。
黒い影には翼があった。
漆黒のーー翼がーー
(こうして、第二幕は翼を持った影で幕を閉じる。)




