遠き平和の空に
平和に必要なのは、集団としての理念か、それとも個人の覚悟か。
戦わない者の選ぶ平和とは本物の平和なのか。
そんな疑問を抱く。
為政者が命令する
あの領土を奪えと
だれもその言葉に逆らえず
侵略者となって 他国の領土を侵す
彼らの命を代償に
家族とも離れて 人を殺す
敵は人間ではないと叫ぶ 戦わぬ者たち
人を殺す罪も 苦悩も知らず
兵士として 息子を戦場へと送り出す母
兵士として 戦地で戦う息子
砲弾が雨のように降りそそぐ
あの地獄で 逃げ場もなく
銃弾が彼を追い詰める
これが夢であったならと
彼の想いは飛翔し
彼の言葉を 白い翼が受け取った
空を飛ぶ平和の象徴も
彼の嘆きを聴いて
戦場を離れていった
彼にはできなかったことを
平和の象徴よ
彼のただ一つの願いを
家族の元へ 届けてくれ
愛する者のために戦い
傷つき倒れた息子に代わって
平和の象徴が 悲しげに鳴く
また自由に
この空の下を飛べるようにと