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特別編:彼女とのクリスマス

―これは夢歌ちゃんがまだ小学5年生。はじめて人を殺めたあとの話だ。


彼女は素直な子であった。小さい時は泣き虫でもあった。そんな彼女は優しくもあり、誰かのためにも泣くように人でもあった。

人を殺せるようにはとても見えなかった。

彼女の初任務の日。内容は、「連続殺人犯を捕まえる」という名の殺し。

私は監督でもあり、保護者であった。実戦に入った夢歌が殺すことを見守る。

危険になったら代わりに殺す。

義貴(よしき)に鍛えられてはいたが、いざ殺すとなればきっと怖がるかもしれない。

そんな彼女を不安になりながら、見守っていた。

が、不安はすぐかき消された。

彼女は殺人犯を見つけた途端、走っていった。

何かを言って、頭を撃った。瞬殺だった。

「よくできたね」とでも言おうと思った。「お疲れ様」とでも。

だけど彼女の瞳に光はなく、何も映っていなかった。

いつもあった光がなかった。

何も言えなかった。

その時、香織(かおり)さんと美華(みか)ちゃんが言ってた話を思い出した。

『彼女には所々子供らしいところが欠けている』

夢歌ちゃんは小さい頃から、教育されている。

小1の頃から、銃の使い方などを教えられている。

そんな彼女に子供らしさが欠けているのは仕方のないことなのだろう。


だから今、私にできることをしよう。

彼女が年相応に子供らしく在れるように、素でいられるように。

まだ、誰かのために泣ける優しい人でいれるように。



*****


「メリークリスマス!!夢歌ちゃん!」

そう言うと彼女は「メリークリスマス」と返しニコッと笑った。

「よし!今日はお姉さんとデートしよっか!」

彼女は「良いの?!」とワクワクしていた。

「うん!今日は夢歌ちゃんがしたいこといっぱいしようね」

「やった!!」

今の彼女は子供らしいだろうか?

そんなことはもう私にはわからない。

ただこの日だけでも、彼女を楽しませよう。

たくさん笑わせてあげよう。

彼女の瞳にまだ光がある限り、私にできることを。

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