表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集1  作者: 明葉いより
82/96

桜吹雪の中で

覚えていますか?


二人で見上げた

夜の桜吹雪


月の影が金にたゆたい

花の影が紅にさざめく


春の風の髪を飾り靡かせ

春の風の指先に遊ばれて


花びらは浮かびながら

どこまでも運ばれていく


それでも

いつか地に着いて転がり

川面に(いかだ)として流れゆく


そして最後は

花の痕として 春の証として

命を終わらせ 枯れてゆくの


人は美しくも儚いと

桜をそう(たと)えるのでしょう


◇◇◇


覚えていますか?


人だった頃の誓い

あの夜の桜吹雪を


わたしとあなたは同じ

お互いに愛してはいても

結ばれることはなかった


だから来世を望んで

桜の前で死んだの


遠き日の誓いは

夫婦神に掬われ

今でも縁を紡ぐ


わたしは桜の精

あなたは春の幻


桜が咲く間にだけ

短い逢瀬を繰り返す


それでもいいと

幸福と愛情に満たされて

あなたの余韻を胸に抱え

わたしは眠りにつく


この誓いが本当の意味で

果たされた時──

きっとわたしとあなたは

この桜のように

命の痕だけを残して

儚く消えるのでしょう


それは最高の美に彩られ

最後に抱くのは

喜びなのか悲しみなのか

未だ──答えは出ない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ