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夢を見ていたい

夢は夢でしかない

そこにある幸せや煌めきを

つかみたくて

でもつかめなくて泣きたいよ


圧倒する現実の生活臭 

嫌になる

変わり映えのない日々

怠いよ

抜ける気がしない

虚しい灰色

泡沫(うたかた)より

軽くて脆くて汚い


わかっているの

眠りの中に宿る夢は

脳のでたらめでしかない

どれほど鮮明で至福であろうと

所詮は夢でしかない



夢の中で夢幻の花が咲いた

目覚めても不思議と

ベッドに咲いている

ああ──

わたしを蔦で絡みとって

わたしを香りで酔わせて

わたしを食らっていいから


とにかく夢を見ていたいの


現実を脱いで 恍惚を纏い

陶酔で髪を結い 魅了で着飾り

理想の化粧を施して

誰にも邪魔させない

わたしだけの完璧なわたし

幸福と聡明と富豪と妖艶と矜持


誰よりも美しくて性格もよくて

頭も賢くてお金持ちで

男にモテて誇らしいの

わたしは幸せ

ああ なんて幸せなの


あれからどれだけが

過ぎたのだろう

時間なんてどうでもいい

わたしは夢に在る

わたしは夢は宿る

わたしは夢に囚われる

永遠に──




あなたはもはや

夢境の住人 世界の一部

己のすべてを 

食われ吸われ奪われ

孤独になる

その“絶望”をまだ知らない

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