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詩集1  作者: 明葉いより
33/100

風鳴りの忘却

忘れゆく風に

あなたの影が混ざる


遠ざかる思い出に

あなたの涙が混ざる


離れゆく気配に

あなたの姿が混ざる


すべては

アンダンガルデ山脈の

冷たい風鳴りに消えていく


もういい

もういいの

許されていいの


あなたは罪と呪いから

解き放たれたのだから

もう眠りなさい


孤独こそが

あなたの渇望で

唯一の解放だった

だからこそ


ひとり

この山脈の奥で

冷たき雪の中で

眠りなさい


もうあなたを

覚えている者はいない

もうあなたを

責め立てる者はいない

もうあなたを

憎み恨む者はいない


そして──

あなたを生み育てた

この母も忘れましょう


この愛おしさ

この慈しみ

このやさしさ

この悲しみ

この嘆き


あなたに抱く

様々な感情も思い出も

記憶そのものを


非情なる決断を持って

すべては終結となる


ああ……

この涙の意味さえも

消えていく


忘れゆくこと

それがあなたの

解放なのだから


だからこそ

真っ新な眠りを

永遠に──


さようなら

私のただ一人の愛しい子

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