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失っていくもの ≠ 得ていくもの
今日も 明日も 明後日も
一か月後も 三か月後も 半年後も
一年後も 十年後も 五十年後も
そして──一生
何かを失い
何かをこぼし
何かを壊して
何かを忘れていく
だからこそ
失われたモノを
取り戻したくて
当時を振り返り
過去を思い出し
脳裏と胸裏に
鮮やかにあるいは
ぼんやりと思い描く
けれど絶対に
あの頃には戻れないのだ
その瞬間はその一時だけだから
だからこそ
懐古し回想し夢想し
思い出は美化される
そして同時に
何かを覚え
何かをつかみ
何かを作り上げ
何かを心に刻みつける
失われていくものと同等に
得ていくものも多いのだ
しかし
人は平等ではない
生まれ持った才能
生まれ持った境遇
育った環境などが
先天的に後天的に
人生に影響していく
人によっては
失っていくものよりも
得ていくものが多い人
逆に圧倒的に
失っていくものが
多い人だっているだろう
それはまさしく
個人の感覚と感情であり
決して明確な数字で
示されることはない
だが誰よりも
実感がこもっている
それらを総合的に含め
積み上げてきたものを
人生や生き様と呼ぶ
そして死が迫る頃に
人生を振り返るのだ
まさしく最期──
その人が何を思うのかは
神でもわからない




