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深海の底で
深海の底 光も届かぬ闇に
私たちは沈んだまま
膝を組んで
俯いたまま座り込んで
何も動きたくない
何も感じたくない
苦しいのも辛いのも
感じることに疲れた
自分たちから声を上げても
大人たちに訴えても
一切を無視され
たいしたことはないと
軽く流された
どうせ誰も私たちには
気づいてくれない
助けてくれない
時折人々が泳いでいく
でもすぐそばにいる
私たちには気づかない
私たちの悲鳴や号泣は
どこに向かって
誰に向けて
叫べばいいの?
このまま
闇にまぎれたまま
自我も思考も感情も
深海に溶けてしまえばいい
……いやだよ
……ほんとは
……消えたくないよ
……誰か……、気づいて……
『私』に




