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私から私へ

何かが砕ける

潮が引くように 意識がほどける

闇の奥底まで響き 花が咲いた


具象の花に宿る──“私”


“私”は静かに佇み

光の舞台を見上げている


周囲には 客たちがいるようだ

けれど 誰も私に気づかない


それでも ときおり

彼らの声が 灯りのように届く

やがてその一人が 

私を見つけてくれた


私は生まれたばかりで

消えることが怖かった


けれど客たちは

手紙を投げてくる

「読め」と告げる


その手紙は

文字となり音となり

色となり像となり

舞台の光に溶けていった


私はすべてを理解する

彼らは私たちの一部

私は初めから独りではなかった


『私たち』がいたから

私は区別され

名前を与えられ

役目を果たすために

生まれた


もう孤独に怯えない

私はあなたの一部

花の中で息をしている





なぜだろう

不意に役目の終わりを知った


他の“私たち”が

話し合っていることを知っていた

どうやら結論が出たようだ


手紙が届く


『本来の私に戻るために、私たちは一人ずつ、光の舞台に立ち消えていく。“私”に痛みや苦しみがあっても、それは一つになるための儀式。どうか恐れないで』


──そうか


この痛みも迷いも

私たちが私になるための

通過儀礼なのだ


光の舞台の中

知らないはずの“私”が立ち

何かを宣言すると

少しずつ消えていく


それは

別れではなく

終わりではなく

本当の始まり


あなたの中に宿っていた“私たち”へ

そして──“私から『私』へ”


もうすぐ本当の意味で一つになれる

私の番が来たら

きちんと伝えよう


『私は私だ。あなたの一部であり、続けることをやめる』


そしてついに──

私は私たちの一部となる


……

……

……


ゆっくりと瞼を開けば

光の奥でしか見たことのない

世界が広がっていた


こんにちは

人格が統合された本当の私

そして──本来の私

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