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運命を嗤う

繰り返されてきた 出会いと別れ

私とあなたには

お互いを想う気持ちはなくて


擦り切れほつれた糸の名残りが

私たちを結びつける

そう糸は切れてはいない


でもね あなたに対して

恋も愛もないのよ

寄り添う気持ちなんてない

その顔も体も声も

いえ、魂すら感じたくない


もう一度生まれ変わって

あなたに会いたいなんて

もう絶対に願わないから


新しい別の人と

真っ新な状態で恋して愛して

一度きりの人生を全うしたい


だから

私たちの赤い糸を切ってほしいと

神に願ったわね

二人で互いの手首を掻き切った

赤い筋は湖をわずかに漂って……


金輪際 

二度と会わない

何度生まれ変わろうとも

二度と会わない

それが私たちの願い


そして消えゆく私が

あなたに唯一願うならば

別の人とどうか幸せに


◇◆◇◆


とある男性に出会って

恋に落ちた

結婚も考えられる人

二人で笑いながら

自分たちの将来について語り合った


そして──

幸せの絶頂は結婚式の最中で

私は気づいてしまったのよ

目の前の夫となる人は

前世のあなた(・・・)だと


神は赤い糸を切り

記憶も人格も魂も浄化して

真っ新な命から

完全に新しい人として

私とあなたを産み落としたのよ


けれど 

どうしてどうして

私が選んだのはあなた


もはや皮肉しかなく

気づいてしまったからには

目の前の男への愛情などない


心からの愛おしげな眼差しに

肌が粟立つ

誓いの口づけは、気持ち悪い

掻き毟りたくなる嫌悪感


その嫌悪も一気に消え去り

気だるい厭世だけが残った


まだ結びの儀式の最中

外面の微笑みは美しく

内面の微笑みは醜く


ただただ──

私は己の運命を嗤う

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