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詩集1  作者: 明葉いより
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恋だった

初めから終わる恋 お互いにわかっていた

決して実ることのない 不毛な恋


あなたを見た瞬間 心が射貫かれ 世界が止まった

“あなたしかいない”

そう思ったあの一瞬が 私の最高潮


密やかな逢瀬は 自然と流れていき

お互いに離れていく

私も貴方も何も告げることはなく

胸は締めつけど 心が傷つくことはなく

そうあるべきがことが 本来の在り姿


夜会で偶然すれ違っても

もはや視線が絡むことはなく

熱意も心音も

静かに冷めていった


そして──現在

私は本来の婚約者と結ばれ 二児の母

あなたも婚約者と結婚し 妻との関係も良好だと


そう初めから

私たちの間には何もなかった

だからこれでよかったのだ


振り返って思う

あれは正しく恋だった

一時の恋だった


もしあなたに「愛していたのか?」と問われたら

私は迷わず否定する


私が抱いたのは愛ではない 恋だった

あなたが抱いていた感情はわからないけれど


愛ならば二人で育むもの

家族で築き上げるもの

けれど恋は ただ燃えて消えていくもの


そうして 最後に残ったのは

痛みも切なさもない 淡い記憶だけ

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