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4.ラブコメの王道きたー

「ん…んーー」

朝を迎え、幸村が体を伸ばす。


スマホを手に取ると、

「え?もうこんな時間?!」

幸村はキレ気味で大きい声を出す。


「母さん、なんで起こさないの!」

台所にいる、母・薫に向かって言う。


「だってー、幸村が高校生になったら、朝起こs…」

「わかった。もういい…

 明日からは起こしてください。

 神様、女神様、真田薫様!」

「わかっているようであれば、よい!」


ここで解説。薄々気づいている読者の方も

いると思うが、幸村が真田薫様と言ったのは、

戦国武将、真田幸村の母の名前が薫と思っていた

ものの、実は“山手殿”と言う名前であった。

これに関しては、筆者・なっちーが馬鹿すぎた。

申し訳ない。ここからは薫と言う程でよろしく!


(おい俺、なんで今ラブコメの

 ヒロインみたいなことしてんだ。)

幸村は食パンを咥えて走っている。


何があったかと言うと、

「幸村、朝ごはんは?」

「時間ないから食べない!」

「なら、食パンでも咥えて行きなさい!」

と、母のパワープレイによるものだった。


(ラブコメのヒロインは自分から

 咥えてるのに、俺は母の手によって咥えてるのか。

 なんか情けないな…)

と、走りながら虚しくなる幸村だった。


すると、右からいきなり、人の影が…

(おいおい、まじかよ…

 ほんとにラブコメのヒロインなのか?俺は?

 ていうか、男やぞ!)

もちろんぶつかった。

ていうかこの状況でぶつからないほうが

この物語的にも、ラブコメ的もおかしい。


「いたた…大丈夫ですか…?」

幸村はぶつかった人にそう言った時に

一つのことを思った。

(ん…これってデジャブってやつでは…) ※3話参照


「いえいえ、大丈夫です…そちらこそ大丈夫ですk…

 あっ、ゆきくん!」

ぶつかった相手とはもちろん、一条桃華だった。


「へへへ、おはよう。またあったね…」

幸村が昨日、桃華の胸に埋もれたことを

思い出さないために、必死に幸村の祖母のことを

考えていた。


「お、おはよう。ゆきくん。またあったね!」

桃華は少し嬉しそうに言う。


「ていうか、

 これ走らないと電車間に合わなくない?」

と、幸村は言った


桃華はスマホの時間を見て、

「うん、走ってもギリギリだね…」

と、言った。


2人は暗黙の了解の様な感じで、すぐさま

立ち上がり、駅に向かって走り出した。


駅が見えたその頃、

「あぁ、電車行っちゃった…」

電車はタイミング良く、走り出してしまった。


駅のホームにて、

「一条さんって最寄り、この駅だったんだね。」

幸村は桃華に聞く。


「おばあちゃんの家がこの駅でね。」

「そうなんだ。

 じゃあ、電車来るまで暇だし、俺の昔の話

 でもしようか。」

幸村はラブコメのヒロイン感覚を味わったので、

主人公感覚も味わおうとしてた。


「俺には、昔、名前は忘れちゃったけど、

 よく遊んでた女の子が居て、

 幼稚園一緒とかでもなく、たまたま公園に居て

 遊ぶようになった?みたいな。

 そう思うと子供ってすげえよな。

 段々と遊びを繰り返していくうちに、

 俺はその子の事がずっと忘れられなくて、

 今もその子に会いたいな。会えたらいいなって 

 思ってて…」

「その子ってどんな子なの?」

桃華は幸村に言う。


「優しくて、同い年とは思えないぐらい

 綺麗な子で、一緒にいて

 幸せな気持ちになれる子かな」

「その子の事好きなの?今でも?」

(俺の過去にそんな興味あるのか?)

と、幸村は思いながら、


「多分好きだったと思う。

 今でもあっても好きになれると思う。」

と言う。

「ふーん」

桃華がそう言った時に電車が来た。


幸村は、昔のことを考えていた。

(俺はあの子の事が好きだったんだな。

 今まで考えたことなかったけど、今何してるかな)

幸村は電車に気づかずに考えていた。


電車の中に入ろうとしていた桃華が振り向いて、

「乗らないと、行っちゃうよー」

桃華は優しげな感じで言う。


(ん?どこかこの姿、)

この時にあの子のシルエットと桃華のシルエットが

一致した気がした。


(気のせいか…)


「ごめん。昔のこと考えた。」

幸村はそう言った。

すると、桃華が、


「昔のことは昔だけど、今も見てね」

と言う。

幸村には一体どうことかわからなかった。








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