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【レベルが上がりました。】
ダンジョン入場より70分後
最後の難関であるボスモンスター
ケルベロスを討伐した中田は出口へ向かっていた。
「クソほど楽勝だな。」
実は中田は自身のスキルがモンスターに通用することを
始めから理解していた。
例えばだが、S級覚醒者にあたる【ヒーラー】
最初こそ回復術師がなぜS級?と思う人間は多かった。
だが、実際にヒーラーが使うヒールは異常だ。
スキル【オーバーヒール】
これは対象の相手を過剰回復させるスキルである。
過剰回復の先にあるのは肉体の崩壊だ。
難しい説明で申し訳ないが要は
オーバードーズと同じだと解釈してもらいたい。
適正量は治療として過剰摂取は致死
つまりはそういう事だ。
中田は自身がS級と並びえる力があることを
少し前から気づいていた。
だからこそ1人でもダンジョンに潜ることができたのだ。
「おっしゃ。次はどこかなぁ」
「おい!」
スマホを見ていたらいきなり声を掛けられた。
「なんでしょう?」
「なんでしょう?じゃねぇよ!なんでクリアしてんだ!」
「覚醒者ですから」
「今、一般人の処分で使ってんだよ!」
そいつを皮切りに他のハンター達も共感の声をあげる。
「そうだ!じゃますんな!」「てめぇ!金払えよ!」
こんな感じで様々な野次がとんでいる。
「はぁぁぁ。黙って散れ。」
「んだとてめぇ!お前ら!こいつやっちまうぞ!」
そいつが声をあげるとその場にいた全員が
襲いかかってきた。
「戦闘系ばっかか。ならいける。」
そう言うと中田はスキルを発動した。
「【作成】LSD選択。【散布】」
中田のそばまで突っ込んで行った覚醒者達の様子が変わる。
「な、なんだ、、これ、、、」
【レベルが上がりました。】
【LSD】
現在違法薬物として取り扱いがされている
ペーパーの麻薬だ。
LSDの症状は擬似的な短期記憶障害に浮遊感だ。
ただ、それが違法とされている理由。
それは、摂取量によってはもう戻ってこられないからだ。
今回中田は魔力のほぼ全てをそこに注いでいた。
つまり、、、今突っ込んで行った覚醒者達は
過剰摂取によりハイな状態で既に死んでいる。
これがLSD。これが麻薬。
突っ込まなかった覚醒者達は何が起きたのか
分からずその場に立ち尽くしている。
中田 空。
現段階でレベルはなんと31。
S級に並ぶほどの実力を見せながらもまだ未完成。
「こんなところじゃ成長出来ない。」
それだけ言い残し中田はその場を後にした。




