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「か、勝てるわけねぇッ!!」


スカイツリーを守るはずの

戦闘職者達はこの状況に絶望していた。


主にC級をメインにスカイツリーの守備構成された

剣士やタンカー、ブレイカー達だったが

襲い来るA級の騎士達に軽く翻弄されていく。


「ブ、ブレイクか!?だが、報告にはそんなもの、、、」


「今、そんなことを気にするな!逃げるぞ!」


仲間達の亡骸を踏みつける様に

生き残った者達は我先にとその場から逃げ出していく。



「逃がす訳ないだろうが」


誰にも聞かれない様なボソッとした声で呟く。


「だ、そうだ。貴様らも戦士ならば腹を括れ」



唯一、その声を拾った

12の騎士達が覚醒者達の逃げ場を塞ぐ


「お、俺らがどこの所属か分かってんのかよ!?」


いくら相手が人型で話が通じるとはいえ

モンスターにこんなこと言ったって仕方ないのは知っている。


正直、ガタガタと震えながら

なぜ自分がこんな事を言っているのか

それは、男にも分からなかった。



「【散布】」



あまりの恐怖からか

覚醒者達は自身の上空に舞うミストに

気づいていない。


だが、次の瞬間。


「な、なんだこれ!」「おおおおおぉぉぉぉぉぉ!」

「き、気持ちいい」「あ、あああ、、、ああああああ」


先程まで追い詰められていた筈の

覚醒者達の様子が一気に変わる。



「トリスタン。良くやった」


「あ、あ、あ、、、有り難き幸せぇぇ!!」


共にハイになるトリスタンを後ろに押しのけ「代われ」とだけ言い中田が覚醒者達の前に出た。


「お前ら。今、最高か?」


「お、お前!何しやがった!?」


それを初めて経験する者には

自身の身体に今、なにが起きているのかを

全くわかっていない。


だが、その味を知っている者は

皆口を揃えてこう言った。


「ご、極上」



散布したのはあくまで微量の覚醒剤

だが、これで敵の分別ができた。


「トリスタン。キマってるやつだけを残せ」


「あい!わかったぁ!!」


シャブ中騎士による虐殺が再開され

血しぶきが舞う中、その味を知る者へ近寄る。



「毎日これをくれてやる。だから俺につけ」


「ま、毎日だって!?」


何かを従わせる際

その対象は理性を持つ者より

持たない者の方が圧倒的に単純である。


「のッ、乗った!薬のためなら何でもやってやるよ!」


「決まりだな。まず、教えろ。ここのS級の職業は?」


「バッファーです!また、側近としてA級が5名B級は15名程、それ以下は我々を合わせると50はいます!」


余程、条件が気に入ったのだろう

男は聞かれたこと以外にも自ら進んで情報を渡してくれる。


「だ、だから、、、」


「だから?」


「もう少しください!これじゃすぐに冷めちまう!」


男の要望に中田も無言で【投与】を発動する。


投与された男はさらに興奮状態を高め

他の者達も血走った目で羨ましそうにそれを見ている。



「他に情報があれば言え。まだまだくれてやるからよ」


このひと言がきっかけとなり

残る30人程の覚醒者達も引き抜きに成功した。


「元々、ぶっ壊れた世界なんだ。このまま全部潰してやるよ」


最初の標的はバッファー


復讐の2歩目が踏み出された。

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