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十数年前。世界は変わった。
どんな時代・国・環境でもヒエラルキーは必ず存在する。
ヤンキー・医者・政治家。これらが各時代のヒエラルキーを担っていたのはもう随分昔の話だ。
突如発生したモンスターの存在や
世界人口82億人の自然覚醒により過去は消えた。
「おいこら。てめぇそんなんも持てねぇのかよ。」
D級ダンジョン。ゲート前
1人の青年である【中田 空】は荷物持ちとしてここにいた。
「か、勘弁してくださいよ〜。俺ど底辺なんで、、」
装備を詰め込んだリュックを4つと
ダンジョン内での素材回収のための空リュック2つを
担ぐ中田の足が震えている。
「なに。文句?俺D級だよ?やんのかこら。」
現在はランク別でヒエラルキーが決まる。
1度決定されたものは実績や成果が無ければ
昇格できない。だからど底辺はいつも低級から
この様な扱いを受けている。
「新。そろそろ行くぞ?それと荷物持ちのお前。終わったら俺の装備磨いてジュース買ってこい。」
「・・・はい。」
毎日これの繰り返しだ。
ど底辺の仕事はこれ以外に存在しない。
国の決定した【ど底辺生存権】という高い税金を
払い続けなければ死刑の対象となってしまうのだ。
「では、行くぞ」
ダンジョンの捜索から40分が経過。
「よし。ある程度は狩れたな?お前。荷物寄越せ。」
「え。いいんですか?」
「早く寄越せ。まだモンスターもいるんだぞ。」
装備の詰まったリュック。素材の詰まったリュック。
それらは1つずつ中田からリーダーの手に渡っていく。
「じゃあ、新。やれ。」
「りょーかい。」
もう1人の男が指示を受け取った瞬間。
そいつはいきなり中田を殴りつけた。
「な、何すんですか!?」
「お前はもう。処分だよ。」
「は、はぁ?」
中田には意味が分からなかった。
生存権の為の金は払い続けている。
そのために365日18時間も働き続けているのだ。
「な、なんで!?」
「生存権なんて破棄だ。国の決定なんだから仕方ねぇだろが。」
それを言い終わると男は再度中田をぶちのめす。
男が中田を十分痛めつけた後
ここから逃げることが無いように
両腕両足をがっちりとテープで固め
そのまま2人は去っていく。
「ま!待ってくれよ!なぁ!頼むからさぁ!」
2人は足を止めない。
それでも叫び続ける。
そして。
「ぐるる、、、」
2人が見えなくなった途端に残った狼型のモンスター達が中田を囲む。
「くそ、、、くそがぁ!!!」
中田なりの最後の叫びだ。ここで覚悟を決める。
その瞬間、モンスター達が一斉に飛びかかった。。。
だが
「な、なんだ、、、これ。」
モンスター達は飛びかかってすぐに固まってしまった。
「時間が止まったみたいだ。どういうこと。」
【ポンッ】
中田の目の前に何か現れた。
【シークレットクエスト 】
【決死の覚悟】を達成致しました。】
「は?」
【覚醒を開始します。3.2.1。。。おめでとうございます。】




