希望と決意
クロス「それにしても何でこんなところにブラックフェンリルがいるんだよ。普通いないぞ。お前の父ちゃんが大声で叫んでなかったら、俺達も気付かなかった。そうすれば、お前達死んでたぞ。」
ミリア「多分、深淵の森の西側で大規模な討伐作戦があったから、そこの討ち漏らしだよ。きみ死ななくてよかったね」
モル「父と母を助けてくれてありがとう!お兄ちゃんとお姉ちゃんが強くて驚いたよ。」
クロス「お前の父ちゃん母ちゃんには負けるわ。二人とも立派にお前を守ったからな。そういえば、お前の名前は?」
モル「モルドレッドだよ!皆モルって呼ぶよ。」
ミリア「モルね!そういえば、モルはずいぶん痩せてるね。何か病気なの?」
モルドレッドは、クロスとミリアに今までの経緯を話した。
クロス「3歳で苦労したんだな。でも、父ちゃん母ちゃんに守ってもらった命なんだ大切にしろよ。」
ミリア「でも、スキル一個かぁー。大変だね。」
モル「大変だけど、俺は今日の父と母のような人になりたい。俺も努力すれば、大切な人を守れるようになるはずだから。」
クロス「頑張れよ!相当な努力をしないと、すごい人にはなれねぇぞ。」
ミリア「そうね。スキル一個でも英雄のように強くなる人はいるから頑張って!」
モル「そんな人いるの?」
クロス「いるさ。Sランク冒険者の刀神がそうだな。相当強いぞ。」
モルドレッドは、まさか、そんな人がいたとは知らず、衝撃を受けた。
モル「俺もなれるかな?父や母を守れるような強い人に。」
クロス「さてな。お前次第だろ?強くなるには努力しろ。」
ミリア「そうだね!がんばれ!モル!」
クロス「お前の父ちゃんと母ちゃんが動けるようになるまで、3週間はかかる。それまで俺達はここにいて良いか?」
モル「当たり前だよ!でも、俺はご飯作ったりできない・・・。」
ミリア「私とクロスがやるから良いわ。」
クロス「ここにいる間に、モル、お前を鍛えてやる。3歳でも容赦しないからな。」
モル「俺は強くなりたい。よろしくお願いします。」
こうして、しばらくモルドレッドは、クロスとミリアに面倒を見てもらうことになったのであった。
そして、モルドレッドは、自分を守ってくれた両親の背中を見て、これから大切なものを守れるように努力することを決意したのであった。