壊れてしまったモルドレッド
次の日からモルドレッドは変わってしまった。
部屋からは出てこず、部屋の片隅にお山座りをして、ずっと床を見つめている。
リックやリンが話しかけても返事をせず、ご飯め食べに来ない。
見かねたリックがモルドレッドの手を引っ張って、部屋の外に出しても、抵抗はしないものの、リビングのイスには座らず、床を黙って見つめている。
その時のモルドレッドの目は、瞳に生気が無く、どんよりとしていた。
そして、リックとリンは気づく。
あの夜、2人で話した内容がモルドレッドに聞かれていた事に。
そして、モルドレッドは耐えられずに、精神的に壊れてしまった事に。
両親は、モルドレッドを傷つけ、絶望させた事に。
両親は、モルドレッドを抱き締めながら、涙を流しながら謝った。
いつまでも泣いて謝った。
だけど、モルドレッドの壊れてしまった心には届かない。
この日から、両親はモルドレッドのあらゆる面倒をみた。
着替え、食事、入浴、就寝まで何もかもをやった。
ミサが遊びに来ても断った。
自分達がモルドレッドを傷つけ、絶望させてしまった罪を償うために。
それでも、モルドレッドの心は癒える事はなかった。