親善試合三回戦目
クレアが医務室に運ばれて行った。
タマモもボロボロで医務室に運ばれて行く。
クロス「良い勝負だったな。まぁ、殺し合いなら分からなかったけど。あくまで試合だからな。」
ミリア「次、クロスだよ。頑張って!」
クロス「まぁ、程程にな。」
ガレオン「親善試合三回戦目を始める!戦士よ、前へ!」
猫の耳としっぽを持つ青年のキヤトが巨大な斧を持って前に出る。
クロスも大剣を持って前に出た。
ガレオン「それでは、始め!」
掛け声と共に何かがぶつかるような爆発音のような音、衝撃が響きわたる。
何度もぶつかっては離れ、そして、また、ぶつかる。
目にも止まらない速さで、戦いは続いて行く。
そして、二人が揃って気合いを入れた一撃を繰り出す。
二人「はあぁぁぁーーー!」
大剣と大斧がぶつかり、回りに轟音と衝撃が走る。
次の瞬間、大剣も大斧が粉々に砕け散った。
クロスもキヤトもお互いに笑い合った。
クロス「良い勝負だったな!」
キヤト「楽しかったよ!」
ガレオン「もうやらないのか?」
クロス「これ以上は、命の保証はできないからな!」
キヤト「俺もですよ。これで幕引きとしましょう。間違いなく、彼らは強者だ。」
ガレオン「分かった。せれでは、この勝負引き分けとする。今回、戦ってくれた戦士達に大きな歓声を響かせよ!」
ワアァァァーーー
コロシアムは、歓声に包まれる。
戦って強さを示した戦士達に敬意を表して。
こうして異世界の人間であるクロス達は、獣人に認められたのだった。
午後には、調印式が開かれ、無事に条約を結び、友好関係を築いたのだった。
医務室でクレアが目を覚ますと、負けた事に対して、悔しい気持ちが溢れだし、苦虫を潰した表情で落ち込んでいた。
その夜、ウラワテの酒場でクレアがやけ酒を飲み、クロスやミリアに愚痴を言って絡みまくり、酔いつぶれてしまった。
クロスとミリアは、そんなクレアを部屋に運んだ。
次の日、クレアの表情は明るくなっており、今後は厳しい鍛練をすると息巻いていた。
こうして、獣人との調印式は無事におわったのだった。
あと半月で夏休みが終わる。
クレアはSランク冒険者の任務を終え、トキヨでゆっくり過ごす事にしたのだった。




