わモルドレッドの誕生日会
それから10日後の夜。
リビングのテーブルには、肉料理やパン、サラダ、ワイン、ジュースなど、普段食べない料理が並んでいる。
リック「今日はモルドレッドの誕生日会だ。皆で盛大に祝おう。」
リックがそう言うと、
全員「乾杯!」
と言って、誕生日会がはじまった。
それから、時が流れるのは早かった。
皆で冗談を言いながら食べるご飯は特別おいしかった。
料理もほとんど食べ終わったころ、クロスがモルドレッドを呼んだ。
クロス「なぁ、モル。これをやるよ。誕生祝いだ。」
クロスの右手には、茶色の革製の鞘に入ったナイフ1本が握られていた。
モル「えぇ、良いの?高かったんじゃない?」
クロス「そんくらい買えるさ。この村の鍛冶屋に大金渡して頼んで打ってもらったから、村にありりナイフじゃ、たぶん1番だから大事にしろ。手入れは教えてあるから大丈夫だろ。」
モル「ありがとう!!大事にするね!」
モルドレッドは、満面の笑みで答える。
クロス「大事にしろよ。あと、俺達、明日、村を旅立つからな。俺達がいなくなっても、教えた事は毎日やるんだぞ。」
モル「えぇ!そんな急に!ずっと村にいてよ!」
クロス「そういう訳にもいかねぇんだ。仕事があるからな。」
ミリア「そうなのよ。モル達と離れるのは寂しいけどね。」
リック「モル、クロス達も寂しいんだよ。でも二度と会えない訳じゃない。大きくなったらクロス達に会いに行けば良いさ。」
モルドレッドは寂しさのあまり、両目から涙を流していた。
モル「俺、ぜっだい、あいにいぐがら。待っででね。」
クロス「あぁ、待ってる。王都にいるから大きくなったら来いな。」
モル「今まで本当にありがどう。」
5人は、それぞれ、この半年の記憶を振り返る。
本当にいろいろな事があった。
モルドレッドは、この半年の思い出を胸に一生懸命生きていく事を誓ったのだった。
翌日の朝、クロスとミリアは村を出て旅立って行く。
リックとリン、モルドレッドに見送られながら。




