畳除の大事、留之大事、鞘打の大事、息合之大事
○畳除けの大事
敵が屋内に討ち入ってきた時、畳を一枚返して盾として使うと良い。突いても突き通さず、切っても切れず、その上相手を有利に突き倒せる。こういった方法は、畳に限らず常に心得ておくと良い。
○留めの大事
敵を切ってとどめを刺す場合は、鳩尾・耳の後ろ・喉などを刺すと良い。とどめを刺すには刺小刀等を首に突き立てるのが一番良い。とどめを刺すことは遅れを取らない証拠となる。
○鞘打ちの大事
・乱心した者や酔っ払いが切りかかってくる場合は、脇差を下緒と一緒に持って抜けないようにしつつ鞘打ちすると良い。斬り殺すことは悪く、まずは手荒いことであろうとも鞘で打ち据えて殺さない方が良い。この鞘打ちは脇差を使うことが適当である。
・居合の大事は突くことであり、普段の稽古では業の中に隠している。斬ろうとする際、ここぞという時には引き抜いて突こうと心得ると良い。槍に突手なし、剣に切手なしということが大事である。
○息合の大事
よく熟れた梅の皮・実・種の外側を取り去って、種の中身を器に入れて押しつぶし、固まるまで天日干しにしたものを丸薬にして印籠に入れて携帯すると良い。銀箔などかぶせれば念入りである。
呼吸を整えたい時、口に入れれば口中が潤って息がしやすくなる。
なお、同様に黒砂糖も呼吸を整えるのに良いものである。
突きを意識して形稽古すると心持ちが変わりますね。
故・中山博道師範は突き十六手術としてまとめていたそうです。
現代剣道でも差し面など突きあってこそのものかと思います。
なお、梅の種には青酸が含まれていますが、熟した梅の種においては分解されてしまうため、食べても問題ないようです(実際食べるのは自己責任ですが)。