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ねえ、先生???

よろしくお願いします。



 ある夜のことだ。


「よお、ヤン。元気だったか。一ヶ月ぶりくらいか?・・うん。大丈夫だったか?・・・・・そ、そうなのか。・・おう・・おうわかった。じゃあまたな。・・・ブツ」


 ・・・ふー、そうか・・・。どうしたものか・・・。




 俺は、今から奥深い魔界のダンジョンへ踏み入れる。中は、俺たちにとって不快な声が響いているという噂だ。しかも、俺たちよりも強い敵ばかりらしい。だが、ここまで来て足を止めてたまるか!いざ、扉の向こう側へ!!


 ガラガラガラ・・・


「失礼します、一年三・・・・」


「あら明石君。あなた、遅れるとはいい度胸じゃない。」


 ひいぃぃぃ。やっぱり怒ってるー!!顔も声も怒ってないのに、周りのオーラが俺に矛を向けている!!それに、最後まで言わせてもらえなかった、・・・これは、先生激おこだ!!

 くっそ、ダメだ。でも、俺は、負けない。負けたくないんだ。こんなとこで、負けるな、明石灯。


「すんません。ちょっと、久しぶりに、再開した人がいて・・・。」


「なに、明石君。また言い訳?この私に向かって、いい度胸じゃない。」


  ひいぃぃぃ、教室とは人が違すぎて引いてしまうぅ!!誰だこの人?


「というのは、冗談よ。ここに呼んだ理由は・・・」


 えっ、なになに。怒られるんじゃないの?わざわざ呼んでおいて変なことだったら、俺、逃げるぞ!


「あなたの連絡先が・・・。」


 サッヨッナッラーーーー!!!!

 即逃げるぞ!即!

 やばいやばい、セクハラだ。これは生徒に対して、やってはいけないことをしている。

 関わっちゃダメだ、関わっちゃダメ。絶対後で壺買わされる運命にあるんだから。それか、変な薬を買わされて・・・・。または、拳銃なんか渡されて・・・・。



 ああああああぁぁぁ!!!!!!!この学校、まともな奴いねえぞ。



「待って、明石君。最後まで話を聞いて。」


 ったく、しょうがない。俺は、最後まで話をできずに追い出された男だ。自分がされて嫌なことを相手にしてはいけないと、小学生で学んだのだ。


「なんですか。先生。」


「入学式にした約束覚えてる?」


 ん?そんなことしたっけ?したような、してないような・・・。


「すみません、先生。覚えてません。」


 よし。これで、先生も俺に飽きて「そ、そう。わかったわ。もう帰りましょうか。」みたいな流れになるはず!


「あなたは、この美人教師のデートの約束を破棄するつもりなの?」


 きゃーーーーー!!!!すみませんでした!!!!この人、声と言葉は優しいのに、行動が怖い!!なんで、詰めてくるの?!?!それもゆっくりと!?

 コワイコワイ・・・・・。もう、笑顔が怖すぎる!!


「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ!!本当は覚えてます!『終末にどこかへ行こう』でしたっけ?!」


「私決めた。あなたを生き埋めにする。・・・先生方!!てつだっt・・・・。」


「シャラーーーップ!!!!!!!!!・・・すみません!!お気になさらず。」


なんて人だ。俺の冗談をここまでやり返す人とは・・・。周りの先生が、いい人でよかった。


「あっ。思い出しました。『週末にどこかへ行こう』でしたね。」


「は~~~。。。。ほんっっと、あなたと話すと疲れるわ~~~~。。。」


「こっちの台詞セリフだ!!」


「ところで、あなた、明日暇かしら?まぁ、どうせ暇ね。ひとまず、私の連絡先あげるから登録しといて。話はそこでするわ。」


「はぁ・・・。」


 土曜日なら俺のいつもの休日の過ごし方をしようと決めてたんだけど・・・。


【それって、つまり暇なんだからいいんじゃないか?】【そうだそうだ。あんなかわいい人とデートだぞ、でぇと。】うっさい、どっか行け!俺の本音をぶちまけるな。そんなの、俺でも理解してるよ。


・・・あの人、何考えてんだろうなぁ~。他の先生に気づかれたら、退職だぞ。・・・えっ?俺もダメだって??いやだな~。俺は、一回断ったもんねー。


ーーーーーーーーーー


 ピーンポーン。・・・・・ピーンポーン。

 ふぁーーー。よく寝た。

 んん?ピンポン?はぁ。誰だよこんな早くに。先生とのデートの時間もまだ教えられてないから、いっぱい寝れる!と思ったのに


 ・・・通話ボタン・・・ッピ。


 ・・・は?


 ・・・終了ボタン・・・ッピピピ。


 よし、もう一回寝よう。

 これは悪い夢だ、悪い夢。俺は今夢の中にいる。そう、ここは異世界。ハーレムが楽に作れたり、魔王を倒して勇者になれたり、人じゃないものに転生できる異世界だ。

 惑わされるな、惑わされるな、・・・・・・・・。


 ピーンポーン。・・・・・ピーンポ・・


 イーーーーーヤーーーーーダーーーーー!!!!!!!!!!

 

コンコンコン


「明石君。いるんでしょ?開けてちょうだい。」


 トントントン


 鬼が来た、鬼が!!俺を食おうとしている!!もしくは魔女か?俺を使って、何かの魔術の実験をしようというのか?はてまた・・・・。


「早くしないと、大声出すわよ。」


 無視だ、無視。無視が一番。知らないふりをしよう。

 大声がなんだ。そんなんで俺をおびき出そうとしているのか?


「すうぅぅぅぅ・・・。もう、サイテー!!!!!!!!せっかく泊まりに来て、私の体で奉仕したのに、それが終わった途端に私を・・・・」


っつ!!!!!!!!!!


カチャカチャ、ガチャ、シュッ、ガチャ。


「お、おい、あんた!生徒をなんだと思ってるんだ!!!俺の高速鍵、ドア開け能力がなかったら、俺は今頃、周りの住民から、冷凍庫よりも冷たい目で見られることになるかもしれねえんだよ!!」


 ・・・・・俺の好感度への一撃だ。これが学校だったら・・・。か、考えるのもよした方がいいな。

 いや、論点はそこじゃねえ。いろいろ変な点があるんだ。

 そう、イロイロと・・・!!!


「な、ななんで、先生が高校の制服着てるんだよーーーーー!!!???」


「なんでって、言われても、私の普段着だけど・・・???」


「普段着―――――――?!?!?!?」


 おい、ここはホントに地球か?マジで異世界じゃねえよな。じゃあ、なんだ。この人はオタクなのか。


 人類で、二十三歳で高校の制服が普段着ぃ?!?!?!?!?!こいつ寝ぼけてんじゃねえのか?!マジで言ってんのかこの女は!!頭のネジ外れてんの一本どころじゃねえぞ!!!この人、多重人格すぎるぞ!!


【まて、明石。今の時代。個性は大事だぞ。】【そうだ、明石。今すぐにその発言を撤回しろ。】なんでお前らはいつも俺の敵なんだよーーーーー!!!!こればっかりは、混乱しても仕方ねぇだろ。

 だって、だって、だって、先生が・・・・・いきなり・・・・・制服??????

 ねええええ、これって俺がおかしいのかなーーーーーー!!!!


 もう、わかんねえや。


 <明石灯は頭を捨てた>


「わかりました。その問題は後でにする。でも、なんで俺の家知ってんの?」


「なんでって言われても、ねぇ、・・・生徒の個人情報は先生の所持品です。」


 <明石灯は頭を取り戻した>


 俺の、個人情報この人にばれてるんですけどーー――!!!!先生ってそういういうものなのかよ!!おーい、詳しい専門家を呼んでくれ~~~~~。


・・うん、もう、知られ点だったら手遅れだしナ。考えるのをヤメヨウ。


<明石灯は頭を再度捨てた>


「よし、じゃあ最後に、なんでこんなに朝早く尋ねてきたんで・す・か??」


「なんで、っていっても私が明石君の番号知らなくてどうやって連絡すればいいのよ。明石君が私に連絡よこさなかったから、わざわざ自分から出迎えてやったのよ。感謝しなさい。まったく、明石君ったら○○で△△なのよねー。他にも、□□なわりに、××そうなところもあって・・。」


<明石灯は頭を再度取り戻した>


 あ、すっかり忘れてた。確かに、俺が先生に連絡しないと、先生は俺のを登録できないのか。めちゃくちゃ忘れてた。

 うわー、やらかしたーーー。こればっかりは俺が悪い。素直に負けを認めるしかない。


「いやー、これはすみませんでした。」


「あれ、明石君?ホントにあなた明石君?本物はもっと、『すみませんね~、ちょっと楽しみにしすぎて、ドキドキしてたから連絡先なんて頭からなかったんですよ~。』って、ヘラヘラしながら言うと思ったのに。そうよ、それが明石君よ。この前なんて・・・・。」


 ・・・・あれ、ねえ先生。ちょっと。聞いてる?

 ・・・・おい、先生。さすがに言い過ぎではありませんか?俺、そんな風に先生に思われてんの?あながち間違いではないけど、なんか複雑だ・・・・・・・。

 やばい、頭がついていかねえ。高校生の家に大の大人が、高校生の姿で朝から来ている。

 ・・・おい待て。俺って、何もイケないことしてないよね?高校生の姿をした女子を家に引き連れ、高校生と高校生の姿をした人が同じ屋根の下で・・・・・・・・・。

 それに、この偽女子高生、姿の割にスタイルというか包容力というのがパねえ。

 やばい、変なこと考えるなよ。変なこと考えたら負けだ!平常心でいこう。・・・・・・ダーーーーーー!!!!!!!!ダメだ!この人、


めちゃくちゃかわいいぞ!!!


 俺は、そこから急いで風呂に入り、急いで服を着て、急いでご飯を食べそして、外へ出た。

 その間、先生はというと、俺が風呂に入ろうとすると「背中流し合いっこしようか」とか

服を着るとき「え~、どうせならセーラー着てよー」だとか、俺がご飯を食べるとき「なんでパンだけなのよ。体に悪いわよ。明日から私が作ってあげる。」などと、意味不明な言葉をつらつらと並べていた。


 さすがに、彼女だけ制服というのはカワイソウなので、俺もブレザーを着たが、付き合ってもないし同年代でもない人と制服デートかよ。くそーーー!!俺の初めてがとられた!!!!


 「いらっしゃしませ。お好きなお席へどうぞ。」


 俺と自称高校生の女の人二人で、俺の家から一番近くて俺の行きつけのカフェにやってきた。ここなら、同じ学校の人は出てこないだろうと考えたのだ。

 実際、学校ではないけど知り合いはいるのだが・・・


「って、なんだよ。また灯く・・・え、灯君、彼女できたの?・・・・そ、そうだよね、灯君かっこいいし・・・。」


「えっ、灯、彼女できたのかよ~。ま、そう落ち込むな。美奈みな。」


「おい、お前ら、勘違いすんな!こいつは彼女じゃないし、実際・・・・。」


「早くいこっ。灯君!!私、疲れちゃった~~。」


「おいこら、演技すんじゃねえ、お前、家ではあんな感じだっただろ!!」


 なんで、この人面倒な方向に話し進めるのかな!?俺、別に怒らせることやって・・・あぁ、やったかもしれねえナ。


「えっ、灯君もう、この人と、おっ『お家デート』したの?」


「それに、灯って家に人いないんでしょ?えっ、ヤリ放題じゃね。」


「黙れーーーーー!!!!!おい、美奈みなれい、いらん、想像すんな。俺とこいつは、お前らの想像ような感じにはなってねえんだよ!!!」


 やっちまった。俺が変なこと口走るから面倒なことに・・・。大丈夫だ。先生がきっとフォローして・・・


「えぇ、『まだ』ね。」


 くれるわけねぇよな!!!


「「まだ?!?!」」


「おい、ちょ、せん・・琴も黙ってろ!!」


 あっぶねーー。ギリギリセーフだわ。こんなとこで先生なんて言っちゃったら、瞬く間に俺の、悪評が広まっちまうからな。


「あれ、今変な間があったけど」


「じゃ、じゃあ、いつもの二つ、よろしく!!」



「明石君、あの二人は?」


「ああ、女の子の方は白鳥美奈しろとりみな、男の方は白鳥麗しらとりれい。ここのカフェ、白鳥一家でやってて、この二人は双子で兄妹なんです。二人とも、ホントに仲良くて俺が昔、美奈みなを連れて帰ろうとしたら、隣から麗れいが襲ってきて、俺を退治したくらいですから。」


 あの時はマジでビビったよ。ふざけ半分でからかっただけなのに、鬼の形相を浮かべて・・・。


「私、その、なんて、リアクションしたらいいかわからないのだけれど・・・。それはわかったわ。じゃあ、明石君と二人はどういう関係?」


 ふむ。どういう関係と言われても、タダの知り合いだからな。


「まぁ、簡単に言うと、アカペラ仲間です。中学の時になんか、それっぽい大会みたいな集まりみたいなものがあって、そこで知り合ったんです。」


「へぇー、そんなつながりが・・・。アカペラねぇ。私そのアカペラっていうのをあまりよく知らないのだけれど・・・。」


「あれ、先生知らないんですか。」


 マジで?この世にアカペラ知らない人いるの?


「あのですね~。アカペラというのは簡単に言うと、〝楽器を使わずに声だけで音楽を作り出す〟ものですかね。」


「はい、アイスコーヒー、お待たせしました。灯君。アカペラってそれだけじゃないでしょ。」


 アイスコーヒーを運んできてくれた美奈が、突然そんなことを言い出した。


「私たちの、ことだって言った方がいいんじゃない?」


 えっ、そこ掘り下げる?


「えー、メンド。」


「何よ。私に言うのがそんなにやなの?」


 マジめんどいな、この先生。


「言いますよ、言います。あのですね、去年、全国中学アカペラ大会みたいなものがあったんですよ。」


「それで?」


「全国から、千組以上が出てきて、最初は地方大会から始まって・・・・」


「そんなとこは、どうでもいいのよ。」


 ピッキーーーン。・・・・・・ぶっっっっっつぶすぞ!


「そ、それでですね、その結果が、俺たちのチームが3位、皆たちのチームが5位だったんですよ。」


「えっ、二人ともそんなに凄いの。私もうちょっと低レベルかと思ったわ。」


「まぁ、そこで美奈と話し合って、俺も高校でやり続けてみようと思ったんです。」


「美奈さん、それ本当?」


 なぜ、疑う。話はしたはずなのに。まあ、でも、俺が続けた真の理由は他にあるけど・・・。


「いえ、私はそんなことした覚えは、何処にも・・。」


「おーーい。美奈ちゃーーーん。嘘、言ってないかーーーい。」


「やっぱり、この人の妄想か。てことは、大会の結果も・・・?」


 そこは、疑っちゃダメなとこじゃね。


「えー。そのとおりです。」


「おーーーーーーい。ミーーーナチャーーーーーーン。」


「それではごゆっくり。」


「逃げるなーーーー!!」


「ちょっと明石君、他のお客さんもいるのよ。静かに。」


 マジ、うぜぇ。たまに正論入れるやつ。この世で十五番目にうぜぇ。


「ねぇ、嘘つきさん。」


「君、今すぐにその呼び名をやめたまえ。」


 何、それ。ネーミングセンスが・・・。壊滅的だぜ。


「とりあえず、私の話をはじめてもいいかしら。」


 ・・・急にマジのトーンで話されるとびっくりするぜ。そうだったな、普通に考えて、俺の家まで来たんだ。何か特別な用があるに違いない。


「あのね・・・・・・・・・・・・・・・。ついでに・・・・・・・・・・・・・・。」


 ・・・やっぱ、この先生!まともじゃねぇーーーーー!!!!!


ありがとうございました。


伏線をはりすぎて、自分でもわかんなくなりました。

これから、アカペラ多めになるかもしれません。(嘘の可能性大)

 ぜひ、感想を!

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