魔物の襲来
ここは、王都から馬車で二日ほど離れた村ラウル。
その村は現在、魔物の襲撃に合い壊滅寸前だった。
魔物共は約300体・・・・村1つに300匹もの魔物がひしめき合う状態だ。
通常、魔物が1匹いれば村は半壊。3匹集まれば全滅の状態になる。
それが300?
1時間もあれば十分だ。おつりはいくらでもくる。それが、丸一日もっている
それは、村長ラウムの采配だろう。素早く櫓を組み魔物の群れの侵入を拒む。
そして、若人衆の日頃の鍛錬で魔物から何とか村を守っている。
しかし、村のの囲いは破られ、怒涛の勢いて攻めこんできた。
女、子供、年寄は事前に村長の屋敷に避難している。
男たちは3人一組にて魔物討伐に当たっているが、何せ数が多すぎる。
態勢を整えるべく男たちも村長の屋敷に立てこもる。
村長のラウル。
その息子ラヘム。
長女、ラム。
次女、ムム。
護衛兼、家庭教師 ヘゼル。
その他、村人たち。
残った村人は、村長の家に集まり籠城をしてる。
「ラウル様。このままでは後3日、いえ後一日も持たずに・・・うちらは全滅です。」
そこに、伝書鳩が屋敷の中に入って専用の止まり木にとまる。
ラウルは伝書鳩の足にある伝達文に目を通す。
【出陣準備に4日。村には1週間。それまで持ちこたえるべし】との文字が記されていた。
なにが、あと1週間だ!
それを執事のセバスが読み上げる。
「あと、1週間?」
「でも、村まで2日で来れるでしょう。なんで1週間?」
「誰か急ぎで来れないこのか?」
「俺達が見捨てられたのか?」
村人は口々不満を漏らす。
ラウルは分かっていた。王都はいや、王はこの村を見捨てている。
このまま、村を襲わせ。魔物共が肥えた頃、兵を出し蹴散らす。
いや蹴散らすまでもなく、そこは朽ち果てたモノが残っているだけだろう。
いやいや。その言い方も間違えていた。この村では無く村長のワシを消したいらしい。
その後、この村は、いやこの土地は、ある貴族の三男坊のモノになるらしい。
魔物が来る寸前に隣村のイリコからの伝書鳩が飛んできて策略にハマっているとの伝言があった。
【わが友、ラウル。お前の現状は分かってる。さぞ、驚いている事だろう。事実だけを伝える。王がお前を嵌めた。理由はお前の頭の良さ、人気を嫌っての事だろう。私の立場からお前に援軍は送れない。しかし、お前の子息は守ってやれる。今から子息だけでも我が村に寄越さないか?英断を期待する。】
イリコより
手紙を要約すると、そのような事が書かれていた。
ワシは、息子と娘を逃がす手筈をするも・・・
「俺達はあんたの子供だ。つまりは村を守る方の人間が、村人を置いて逃げることなんてありえない。」
「そうよ。お父様。最後までここで。この村を守って見せます。」
ワシは子供には恵まれている。が、どうしても。それでもどうしても我が子だけでもと思ってしまうのは、村長として失格だろう。
「分かった。しかし。ワシより先に逝くことは、絶対に許さん。ヘゼル。息子たちの護衛を頼む。ワシはこれより再度、打って出て魔物を蹴散らしてくれる。」
ワシは馬に乗り。一騎当千とばかりに魔物の中に馳せ参じる。
それを、遠くでゴブリンが2匹見ていた。
今回の魔物の群れの一員だが・・・どうもやる気が無い・・・みたいだ
「なぁエイジ。お前 今見たか?」
「何をだ?。シュウ。」
「いや、村長の屋敷。村長が出てきただろう。」
「ああ。アイツはやばい。相当強いぞ。俺達でも勝てるかどうか・・・て感じだ。まぁ負けないけど。w」
「え?そっちか」
ゴブリンのシュウは目を大きく開けて
「いや、ちらりと、女が見えた。すごく綺麗だったんだ。この世界の何をみてるんだ?」
呆れ顔でエイジが答える
「そうか、それがどうした?ここには戦にきてるんだろう?シュウお前がやる気が無い。だの、気がのらないだの言うから」
ゴブリンのシュウは寝ころんだ姿勢がら上半身を上げて、エイジの方を向いて
「いやな。その女が、さぁ 泣いてたんだ。わかるか?泣いてたんだ。」
エイジは最もの答えをシュウに伝える。
「そりゃ泣くだろう。こんな惨劇だから。」
ゴブリンのシュウは腕を組んで、若干考えて・・・・
そう、エイジの言ってることは最もだ。だが・・・あの炎のなかであの美しさは際立っている。それが、後、半時で他の魔物に蹂躙されるかもしれない。いや、そうなるだろう。俺はそれでいいのか?それを望む、望まないに関わらず・・・いいのか?
いいのか? いいのか?
それは、良いわけがないだろう!
「決めた。俺は村の方に着く。そして、あの女を嫁にもらう。」
「は? 意味が分かんねぇ。このままでいけば、村は俺達のモノで、活躍した奴には好きなモノがもらえる。俺達は村の強者、今で出て行った男、多分村長を倒したら、あの女も俺達のモノにできるんだぜ。いや、女はお前に譲るけど・・・」
シュウはジッとエイジを見詰めて
「・・・・」
「何を言ってるんだ? エイジ。 俺はあの女を嫁に貰うと言ったんだ。そこに祝福が無いとダメだ。家族からの祝福と友からの祝福が無いとな」
「はぁ・・・で。」
「そこで、お前は俺の親友だ。どうする。俺と行くか? それともこのまま敵として分かれるか?」
行き成り、際どい選択を迫られることになったエイジは左のポケットに忍ばさせたコインを転がしながら・・・そうさなぁ。ここで村に着くと俺達は魔物の森に帰れなくなる。
それどころか。札付きに魔物だ。明日の命も保証はされない。何の良い目も浮かばねぇ。
エイジはぼんやりと口を開けて呆けたしたと思ったら
次の瞬間に、エイジはニヤリと笑うと。
「お前に着いて行くは、本当に大バカ者の能無しだ。ありえないだろう。」
「そうだ。本当に大バカ者だな。」
「それじゃ。エイジ行こうか!」
「マジ。ありえねぇわ。」
二人はラウル、村の村長のもとに駆けていく。
その頃、
ラウルは・・・ラウルの馬は喉を付かれて、そのまま、倒れ込む。
ラウルは馬から飛び降り、危うく下敷きにならずに済んだ。
「くそ。まだだ。まだまだ。」
ラウルは槍を持ち目の前のオーガの首をはねる。
そのまま、後ろのガーゴイルの羽を切り裂く。
ラウルの戦闘能力は村の中で断トツに高い。もちろん日々の鍛錬の賜物であるが魔物と同等以上の戦闘を1人でこなせるなど、稀であろう。
が、そんなラウルでさえ不振に思う点が多様にある。
ありえない。この魔物の軍団は多種多様な魔物がいる。
しかも、一体一体が強すぎる。
通常、魔物は単一種族で動いてるはず・・・
ラウルは魔物達に周りを取り囲まれる。
王に見捨てられたのではなく・・・・王の策略なのか?
「ならば・・・」と、
ラウルは槍をクルリと回し、 激の型にて構える。
その気迫におされ、魔物達はラウルを取り囲む周りから2、3歩後ずさる。
そこで、魔物の奥の方から声がする。
「おっと。と、ちょっと通してな。・・・・すまんな。ゴブリンのシュウだ。悪い。あのお父さんに話があるんだわ。ちょっと通して・・・・あ。じゃまだ 通せ。このクソ犬が!」
2匹のゴブリンが現れた。
そして、一匹のゴブリンがワシを見ながらこう言った。
「はじめまして。お父様 娘さんとの結婚を許して頂きたく馳せ参じました。」




