第79話 馬鹿な人が来ました
久しぶりにまとめ書きしたらなんか色々と脱線気味に…
あれ、おかしいな?こんな話を書くつもりではなかったのに……みたいな。
軌道修正できるかな……(ーー;)
オーガはダンジョンで倒されたから、ダンジョンに吸収されるようにして消えていった。本来ならドロップアイテムがあるはずなんだけど……
「ドロップがない?」
「え?あ、ほんとだわ。どうしてかしら」
こればかりはレビンさんも分からないらしい。倒したのは今回が初めてだったから、気づかなかったんだって。
「とにかく進むしかないわね」
リーナの言葉にみんなが頷いた。とにかく進んで情報を集めないと。
ーお姉ちゃん。ちょっといい?ー
うん?どうしたの?
ーどうやらその事件……ローブのやつらが関わってるー
……やっぱり?そうかなって思ってはいたのよ。
ーだから…ー
分かってる。
ー…ごめんねー
今更何言ってるのよ。
ーいやそうじゃなくて…ー
「フィリア?どうしたの、いくわよ」
エルザとの会話はマリアによって遮られた。何を言おうとしていたのかな?心の中で呼びかけてみても反応がない。多分忙しいんだろう。ほんとに重要なことなら多分忙しいのをほっぽり出すだろうし、最後の言葉はあまり重要ではないんだろうね。
「うん、今行く」
走ってマリアたちに合流する。すると、気配察知に反応があった。これは…人?
「な、なんだお前らは!?」
暗闇から現れたのは……真っ黒なローブを着た男だった。
まさか今出てくるとはね。
「ここは子供だけのダンジョンじゃないのか?!」
……この人馬鹿か?確かにここは学園のダンジョンではあるけど、生徒だけのダンジョンではない。たまに冒険者に解放しているらしい。その日は生徒は入れないんだけどね。
「そんな情報どこで聞いたのよ」
呆れ気味にリーナがそう言った。
「それよりあなたは何者?」
マリアが冷たい瞳でローブ男を見つめる。
「そ、そんなこと誰が言うか!」
ですよねー。分かってた。だけどここにいる人たちはそんなこと関係ない。捕まえればいいと思ってるから。
……もしあの時みたいに自爆の魔道具を持っていなかったらいいけど。
「とにかくあんたは俺たちの敵か?」
ロビンが臨戦態勢で男に尋ねる。その様子を見て、男はすこし怯えているようだ。小心者だな。
「そ、そうだ!」
言い切っちゃったよ、この馬鹿。
「そうか。なら」
ロビンは剣を引き抜き、男に向けた。
「やるだけだ」
「ふ、ふん!ならこれを倒すがいい!こい!」
そう叫ぶと、地面に魔法陣が展開された。かなり小さめだけど、数が出てきたら不味いな。
「さぁいけ!」
魔法陣から出てきたのは……ネズミでした。え、拍子抜けだって?いや、それが普通のネズミなら、ね。
「ちっ!軍隊ネズミか!」
はい、そうです。普通じゃありません。簡単に言ったら、軍隊アリのネズミ版。わらわら出てくる。
……ちょっと気持ち悪い。
「さらばだ!」
なんともダサいセリフを言いながら去っていった。走って去るあたりもダサすぎる。
「フィリア!もしかしたらあなたを守りきれないかもしれないわ!」
おっと。今はそんなこと考えない。敵を倒さないとね。
「大丈夫だよ。自分の身くらい自分で守れる」
とりあえず結界を全員に纏わせておく。
「フィリア!?」
「大丈夫だから。ほら、来たよ」
「ああもう!あとで話があるからね!」
それは……ちょっとお断りします。え、断れない?……頑張ろ。
「うわぁ…すごい数」
まだまだ魔法陣から出てくるよ。多分あれを壊さないとどんどん出てくると思う。だけど、その前にいるネズミの数が多い。
「ガルマ!頼める?」
『無論だ、主よ』
私が呼んだのは契約した神獣。フェンリルだ。渋い声が聞こえたと思ったら、どこからともなく現れた。あ、正確には私の影から。
「魔法陣をお願い!」
『分かっている』
ガルマは神獣であるが故に魔法が強い。特に風だ。自身の周りにかまいたちみたいな風を纏い、突っ込んでいく。うわぁー…エグい。私はやりたくない。返り血すごいから。
「うぉ?!なんだ?」
「私の契約獣だから大丈夫!」
うん。マリアから物凄い目線を感じる。これは…あとの話が長くなる予感。
「あとで聞くからね!」
ですよねー。まぁいっか。話す手間が省けたと思えば。
さてと。私もやりますかね。
アイテムボックスからロビンから貰った剣を取り出す。刀は…多分あとで面倒事になりそうだから出さない。
剣に氷属性を纏わせる。地面に向けて横に振るえば、一瞬で一直線にその地面が凍りついた。
そしてそこをネズミが通れば……ツルツル滑る。うん。だって一体一体倒すの面倒なんだもの。小さいし。だから滑るネズミを風魔法で押しやり、その先に炎の柱を作り出す。一瞬で焼却装置の完成!
……マリアとリーナからのジト目が凄い。いや、これ結構大変なのよ?3属性の魔法を同時に制御してるんだから。
……あ、そこか。やべ、やっちゃったかな?
「フィ〜リ〜ア〜!」
「ひっ!」
ネズミなんかよりマリアの顔が怖い。
『む。主、敵か?』
いつの間にか魔法陣を破壊して戻ってきていたガルマが、マリアを敵認定しようとした。
「いやいや、違うから!?やめて!?」
『それならばよいのだが…』
うん。ガルマがなにかやらかす前に影に入れましたよ。ええ。
「終わったぞー」
ロビンが少し疲れた様子でそう言った。周りには沢山のネズミの死骸。
……私の周りを除いて。
「じゃあちょっとお話しましょうね?」
「あー、ちょっと用事が…」
思わず逃げようとしたら首根っこ掴まれました。ぐぇ。
「あるわけないわよね?」
「は、はいぃ…」
こ、怖い……お手柔らかにお願いします……