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第75話 六大英雄集結

 色々と話し合いをした次の日。私はいつもより早い時間に飛び起きた。

 理由は単純。


「絶対見つける!」


 今日はダンジョンでベルたちを捜索するからだ。


 え?ロビンに寝顔を見られたくなかったからの間違いじゃないかって?



 ……否定はしない。


 そう。今日は六大英雄が勢揃いする。無論、その中には私のパパ、ロビンもいる。


 ……最近会ってないから、親バカ炸裂しなきゃいいんだけどね…


 コンコン


「?はい?」


 誰だろ?


「あー!!もう我慢できん!」


 うん。分かってた。でも頭がそれを拒絶したんだよねぇ…

 バンッって音とともに、予想通りの人物、ロビンが飛び込んできた。


「フィリアーー!」

「うわっと!パ、パパ?!」


 思ったよりも勢いよく飛び込んできたので、思わず驚く。そのままの勢いでハグされた。ぐぇー…


「く、苦しいって!!」


 身体強化でロビンを引き剥がした。危な!内蔵出るかと思ったよ!物理耐性ってこういうのには効かないのね…


「す、すまん…つい」

「そんなことしてたらいつかフィリアに嫌われるわよー」


 ロビンが開け放った入口から、マリアが顔をのぞかせた。


「ママ!!」


 とりあえずマリアには抱きつく。なんというか…ね?この体は親をもとめてるんだなぁーって。でも、ロビンは却下!死ぬ!


「そ、そんな…フィリア…」


 なんか世界の終わりみたいな顔しながらそう言うけど、仕方ないと思う。私は悪くない!


「あなたの性格が悪いのよ」


 わぁお。ズバって言うね。


「せ、性格?」

「その…なんというか、フィリアと接する時は羽目が外れるというか…」


 うん。的を射てると思うよ。


「それは仕方ないだろう!」


 ダメだコレ。


「はぁー…フィリアも大変ね」


 いや分かってるんなら止めて?!

 そんな抗議の目線を向けるけど、目を合わせようとしない。確信犯だ…


「はいはい。そこまでよ」


 いつの間にかリーナまで来ていた。


「とにかくフィリアちゃんは着替えてね。下で待ってるから」


 そう言ってリーナは去っていった。

 そうだった。ロビンが飛び込んできたから着替えてないんだった。


「なんならパパが…」

「出てって!!」


 強引にロビンを部屋の外へと追い出す。一応気にするお年頃なんだからね!?


「私はいていいのかしら?」

「…あまり見てて楽しいものではないと思うけど」

「そんなことないわよ?娘の成長を見るのは、ね?」


 そう言われると無理に追い出したくはない。まぁ同じ女性だし、問題はないんだけどね。


 少々マリアの目線を気にしながら着替え終わる。


「あー…うん。まだ時間はあるわ!」


 そう言って、ポンっと私の肩に手を乗せた。


 ……ええ、そうですか。私だって気にしてるんだからね?!この凹凸がない体……自分で言って悲しくなってきた。

 はぁ…


「それにしても、身長あまり伸びてない?」


 マリアと最後に会ったのは確か…分からん。でも、覚えてないくらい前なのは確か。




 ……それなのに気づくくらい、私の体は全くもって変化していない。いや、色々と成長はしてるんだよ?だけど…他の人より成長が遅いというか…


「なにか体に不調とかないの?」

「うーん…うん。今のところは」


 何か原因があるのか…それが分からないんだよね。ひとまず今のところは問題ないし、考えなくていいかなって思ってたんだけど……最近ベルとの身長差が…ね。まぁ焦ってどうにかなる問題じゃないよね!


『いわゆる現実逃避…』


 うるさいやい!!


「そうなの…でも、心配だから私の方でも調べとくわね」

「うん。分かった」


 まぁ、分からないままっていうよりましだよね。分かるかすら怪しいけど。


「じゃあ下に降りましょうか」

「うん」


 マリアと手を繋いで下に降りる。


 あ、そうそう。今更なんだけど、なんでパパやママのことを心の中では名前で呼んでるのかっていうとね?なんか…この体の親は確かにその2人なんだけど…魂というか、精神は地球の親のほうだと思っちゃう訳で…だから2人のことは名前で呼んじゃうんだよね。

 ただのわからず屋と言われてしまえば、それまでなんだけどね。こればっかりは仕方ないんだよね。


 マリアと共にいつもの部屋に向かう。中からは知っている人の気配と、知らない人の気配がした。そう言えば六大英雄のあと一人とは会ってないね。その人かな?


 マリアかドアを開ける。


「マリアーー!」


 開けた瞬間に、マリアに誰かが抱きついた。誰ですか?


「マルティエナ、久しぶりね」


 どうやらマルティエナさんというらしい。



 ……しかも、尻尾がある。うん、あれだ。獣人だ。しかも…多分猫の。


「はははっ!マルティエナは相変わらずマリアに懐いているな」


 そう言ったのは…多分ロビン。相変わらずってことは、六大英雄として活躍していたときもなのかな?


「ほら、離れなさい」


 マリアにいつまでも引っ付いたままのマルティエナさんを、リーナが引き剥がした。


「は!ごめん、つい…」


 ……なんだろ。今物凄くロビンと似ているって思った。


「はい。とりあえず全員揃ったわね。じゃあ説明をはじめるわよ 」


 そうリーナが口を開いた。リーナがまとめ役的なポジションなのかな?


「ねね。その前にこの子だれ?」



 ……マルティエナさん…少しは空気読もうね?


「ああ。そう言えばマルティエナは初めてだったわね。私の娘のフィリアよ」

「ど、どうもです…」


 そう言ってぺこりと頭を下げた。挨拶は大切だよね。


「え?マリアって娘いたの?」

「ええ。そう言えばマルティエナには伝えてなかったわね」


 あらやだ、忘れてた。


 みたいな顔してるけど、それって仲間との連絡が疎かになってるってことじゃないの?大丈夫なの?


「そうだったんだ。よろしくね!えっと、フィリア、ちゃん?」


 …前言撤回。この人物凄い前向きでした。いや、ば…ゲフンゲフン。天然?


『主って心の中でかなり毒舌だよね…』


 …否定はしない。


「えっと…よろしくお願いします」


 私がそう返してみんなが席に着いたところで、リーナが今回の事件の説明を始めるために口を開いた。












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