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第72話 これからのこと

ちょっと文章短めです。


 転移でリーナと一緒に屋敷の中に帰ってきた。どうやらリーナの執務室みたい。


「とりあえずお風呂に入りましょうか。土埃とか凄いし」

「うん」


 執務室を出て、お風呂に向かう。お湯は何時でも張っているそうな。お金はかからないのかな?まぁ多分、有り余るお金があるからなんだろうけどね…


「で、一緒に入るの?」

「当たり前じゃない。ほら、脱いで」


 女性同士なので、なにも問題はないのだけれど…どうせなら一人で入りたかった。


 そんな私の気持ちなんて露知らず、リーナは私の手を引いてお風呂場へと足を踏み入れた。


「さぁ、洗ってあげるからいらっしゃい」

「一人でできるよ?」

「だーめ。こういうのは洗ってあげるものでしょ?」


 そのリーナの考えはどこからくるのやら…


「ほら、こっち」


 渋々リーナの前に座る。この世界にはシャンプーとリンス、石鹸は存在する。でも、高価なものなので、平民は使わないらしい。石鹸は比較的安いそうだけどね。


 リーナに頭を洗ってもらう。おぉ…気持ちいい…やばい。癖になりそう。


「どう?気持ちいい?」

「うん」


 もうこのまま寝ちゃいそう。だけど、上からザバーってお湯をかけられたせいで目が覚めた。


「眠いのは分かるけど、まだ寝ちゃだめよ?」

「ふわぁい…」


 欠伸をしながら間の抜けた返事をした。シャンプーを洗い流して、次はリンスで髪を洗う。というかリンスって洗うっていう表現するのかな?

 そんなどうでもいいことを考えていたら、いつの間にやら体まで洗われていた。


「よし」

「できた?」

「ええ。それにしても綺麗な白い肌よね…羨ましいわ」


 リーナも十分綺麗だと思うけどね。だけど、私の肌は病的なまでに白い。アルビノみたいな感じ。今更ながら白すぎるよねぇ…っと、そんなことは置いといて、体の泡を洗い流して湯船に浸かる。うん。いつもいい湯加減。


「今日の学園は行かなくていいから、この後ゆっくり休めばいいわ」


 およ?てっきり夜通しオ・ハ・ナ・シするのかと思ってたよ。まぁさすがにそれはないか…


「ねぇ?フィリアちゃんはこれからどうしたいの?」


 唐突に、リーナが湯船に浸かりながらそんな話を振ってきた。


「どうしたいって?」

「そのままの意味よ。学園を卒業した後ね」


 卒業した後かぁ…


「とりあえず、世界を回ってみたいな」


 私が行ったことある国はほんのわずか。もっと沢山の国に行ってみたい。


「そう…」

「あ、でもそれより先にアッシュの誤解を解いておきたい」


 誤解を解くというより、仲直りかな?中々大変だろうけど…このままギクシャクした関係なんて嫌だしね。


「確かにそれも問題ね…はぁ。やっぱり死んだことにしないほうがよかったんじゃあ…」


 死んだことにしなかったら、少なくともアッシュとの関係が拗れることは無かっただろう。だけど…私は重圧に押しつぶされていたかもしれない。私はそんなに強い人じゃない。前世でも期待されることが苦手だった。


 …でも、いつまでも逃げてはいられない。アッシュ一人に全て押し付けてしまっているのだから。


「確かにそうかもしれない…でも、いつか真実を公表することになったとしたら、私は覚悟を決めるつもりだよ」


 これは私のケジメだ。今まで逃げてきたことへの。


「そう…フィリアちゃんがそう言うのなら、ロビン達とも話してみようかしらね」

「あ、でも…公表するなら学園を卒業してからのほうがいい」

「どうして?」

「ちょっとね…」


 だってキャサリンの反応が怖いんだもの。


「ふーん…まぁいいわ。そろそろ上がりましょうか」

「うん」


 随分長いこと浸かってたせいで、ちょっとのぼせた。風魔法で体を冷やしつつ、手早く水気を拭き取り、着替える。


「じゃあおやすみ」

「うん。おやすみなさい」


 2階に物音を立てないようにゆっくりと上がって、自分の部屋に入る。


「はぁ…寝たいけど、起きたくない…」


 説教ならまだいい。右から左へ受け流すから。まぁそのせいで説教が長いんだけど…それはいい。だけど、質問攻めというのは…正直しんどい。どうしようか…


「…もう、なにも考えないでおこう」


 私は考えるのをやめた。今から悩んだって仕方ない。その時はその時だ。そう気持ちを切り替え、パッとベットに潜り込む。疲れていた影響か、私は直ぐに意識を手放した。

















オ・ハ・ナ・シは次回にて…

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