第35話 クラス発表と新しい友達?
さて、入学式のあとはクラス発表らしい。
この学園にクラスはS.A,B,C,とあり、Sが1番成績が優秀の人が入るそうだ。それぞれ50人ずつらしい。つまり今回入学したのは200人ということだね。
「えー、ではクラス発表をします」
いよいよだね。
「まずSクラスからです。呼ばれた人は前に出てきて、並んでください。まず7番、首席のフィリアさん」
「は、はい!」
わざわざ首席って言わなくても良くない?
「次は、…13番キャサリン・ハワードさん」
「はいですわ!」
あ、あのお嬢様キャサリンって言うんだ。
「フィリアさん。改めてよろしくお願いしますわ」
「うん。キャサリンって呼んでいい?」
「もちろんですわ!」
「ほら、静かにしなさい」
「「はーい」」
それから順番に名前が言われていった。ベルも3位だったので同じSクラスになった。
「やったー!フィリアちゃんと同じだ!」
「うん、良かったね」
その後無事にクラス発表を終えて、今日は解散になった。
「フィリアさん、ベルさん、今日この後予定がありまして?」
「私はないよ」
「私もー」
どうしたんだろう?
「ではわたくしの屋敷にお越しになりませんか?」
「キャサリンの屋敷?」
「はい!そこでお茶会でも」
「うーん、私はいいけど…」
「私もいいよ!」
「では決まりですわね!このまま行きます?」
「とりあえず家の人に伝えたい」
リーナには言っとかないとね。
「分かりましたわ。では30分後に学園前に集合でよろしくて?」
「うん、分かった」
私たちはキャサリンと一旦別れると屋敷に帰った。
「おかえりなさいませ」
「うん。あのリーナいますか?」
「カトリーナ様はまだお帰りになっておりませんが?」
あ、リーナまだ帰ってないんだ。どうしようか?
「言伝でしたら承りますが?」
「じゃあお願いします。リーナに今日は友達と遊んでくると伝えてください」
「承りました。お帰りはいつ頃になりそうですか?」
あーそこらへん聞いてなかったな…
「暗くなったら帰ります」
「分かりました」
私たちは部屋に行って急いで着替えると学園に戻った。
学園前に着くともう既に赤いワンピースを着たキャサリンがきていた。
「ごめん!待った?」
「いえ、今来たところですわ。さぁ行きましょう!」
そう言ってキャサリンは中々豪華な馬車に乗り込んだ。
「えっとー…?」
これは乗っていいの?
「どうしたのですか?早く乗ってくださいまし」
「う、うん」
私たちは恐る恐る馬車に乗り込んだ。中はそんなに狭くなく、向かい合わせの椅子になっていて、椅子はふかふかだった。装飾はゴテゴテした感じしゃなくて調和が取れていて、いい感じだった。
「ほぇー…」
「さ、座ってくださいな」
「う、うん」
私たちが椅子に座るとすぐに馬車が動き出した。
たいして揺れることもなかったので酔うこともなく、思ったより早く着いた。
「ここですわ」
馬車を降りたところにあったのは、私たちがお世話になっているリーナの屋敷の2倍はあるんじゃないかっていう程のでっかい屋敷だった。
「で、でっかい…」
「当然ですわ!公爵家なのですから!」
「「え?!」」
なんか凄い爆弾発言?!まぁ話し方からいいとこのお嬢様だと思ってたけどね?失礼だけど男爵家くらいかと思ってた。だって私たちは平民だからね?
「さ、早く入りましょ!」
「「う、うん」」
どうしよう?いやマジで。
「こっちですわ」
そう言って案内されたのは中庭だった。その中庭もかなりでかい。そこには丸いテーブルと椅子が3脚用意されていた。
「さ、座ってくださいな」
「うん!」
ベル順応はや!
「まさかキャサリンが公爵家だとは思わなかったよ」
「そうですか?かなりの人が知っていると思うのですが…」
「いや、私たち王都に来たの最近だしね」
「そういうことですか…嫌ですか?」
「「え?!」」
嫌って…それはつまり公爵家だって知ってってことかな。
「別に?ただ少し驚いたけど」
「そうなのですね…良かったですわ…」
多分身分のせいで友達とか出来なかったり、出来たとしても距離を置かれたりしたのかな。
「私たちは身分なんて気にしないよ!ね、フィリアちゃん!」
「もちろん」
「ありがとうですわ」
その後お茶が運ばれてきたので、飲みながらこれからのこととか色々話した。その時
「フィリアさん!私に魔法を教えてくださいまし!」
と、物凄い勢いで頼んできた。思わず飲んでいた紅茶をむせてしまった。あ、ちなみに紅茶はカモミールっぽかった。
「ゴホッゴホッ…ふぅ。どうして?」
「わたくしもあんな魔法を使いたいのですわ!」
あんな魔法…エアバレット?
「風魔法が知りたいの?」
「そうじゃありませんわ!あの魔法の威力はなんですの?!」
あーそこか。確かにあれはやり過ぎたかも。私ぐらいらしいんだよね、的を破壊したの。
「何って…」
どう言おうか?私自身なんであんな威力出たのかわかんないし。
「無理でしょうか?」
いや、そんな涙目にならないで!?
「うーん…無理というか私にも上手く分からないんだよね」
「そうですか…(これが才能の差というものですか!)」
「うん?なにか言った?」
「いえ?!なんでもありませんわ!」
「そう?」
確かになんか言ったんだけどなー…ま、いっか!
その後も話し続け、気がついたらもう既に暗くなり始めていた。
「もう帰らなきゃ」
「そうですか…残念ですわ」
「またいつでも会えるじゃない」
せっかく同じクラスだしね。
「そうですわね!まだありますわよね!」
うん、今日思ったけど、やっぱりキャサリンは元気なのが1番だね。
「では送りますわ!」
「お嬢様、勉強があります」
「そんなぁ〜」
「ふふふっ。勉強頑張ってね。また明日ね」
「はいぃ…また明日ですわ!」
「うん、じゃあね」
「バイバーイ!」
もう既に暗くなっていたので執事?の人に馬車で送ってもらった。
「おかえりなさい。楽しかった?」
帰るとリーナが待っていてくれた。
「「うん!」」
「そう。もうご飯だから部屋にいきましょうか」
「「はーい」」
私たちはご飯を食べた後一緒にお風呂に入ると、ベルが
「今日も一緒にねよ?」
と言ってきたので、私の部屋で一緒に寝ることに。今の私たちの体なら2人でも余裕なんだよね。
私はベットに入るとすぐに意識を手放した。