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第24話 手紙

唐突に思いついた話です。短いのは許してください。

 ある日のこと。私宛に久しぶりに手紙が来た。差出人は、()()にして、最高の親友、マリアからだった。


「あの子が送ってくるなんて久しぶりね」


 確か子供を妊娠して…流産したっていう報告だったわね。あれからしばらく手紙が来なくて、とても心配していたんだけど…


「…どうやら、立ち直ったみたいね」


 手紙の文字を見ただけで、届くのが楽しみでしょうがないって気持ちが分かる。内容は私にとってかなり衝撃的なことだった。


「まさか養子…そして、男の子が産まれたのね」


 そりゃそうよね。だって待ち望んだ子供を失ったんですもの。実の子でなくても、育てたかったのよね。


「…へー。学園に通うためにここにくるのね」


 ふふふっ。このことだけで、迎えた養子…フィリアちゃんのことをとても愛しているのがわかるわね。


「で、色々世話をお願いしたいと…」


 親友からの頼みだものね。断れる訳ないじゃない。ただ…


「大丈夫かしら?ここに来るのは約1ヶ月後。最近ここら辺で盗賊の被害が増えてるのよね…」


 護衛は雇うと思うけど、心配ね…うん?ちょっとおかしい?


「たとえここまで来るのに5日かかるからって、たった1人でそんなことさせるかしら?」


 文面を見る限り、とても愛していることが分かる。そんな危険があるなら一緒に行ったりするはず。


「…なにか事情があるのかしら?それともこの手紙になにか…あ!」


 この手紙隠蔽魔法がかかってるわ!手紙に隠蔽をかけるなんて芸当は多分マリアくらいしか出来ない。そして、これは私と秘密の会話をする時に使っていたもの。だから私は解除の仕方を知っている。


「いつもより強い隠蔽…そこまでバレたくないものなの?」


 私は隠蔽魔法を解除した。すると、手紙の最後に文が現れた。


 "フィリアは私たちの実の子なの。とても聡い自慢の子。流産したなんて嘘をついてごめんなさい"


 そんな文面が現れた。


「…なるほど。それで全て辻褄が合うわ」


 マリアとロビンの子供。つまり、それだけ"力"を持っているということ。だから1人でも問題ないと判断した。そして学園に行くのは注目から外すため。恐らく、産まれた男の子には『勇者』の称号がある。今回男の子を隠さなかったということからその子だけを実の子として発表する。称号が分かるのは5歳の時。つまり、その時フィリアちゃんは学園に通っている歳。


「…女の子には、荷が重すぎるものね」


 フィリアが産まれたときのロビンの反応が手に取るように分かり、思わず笑みがこぼれる。


「…ただ、()()()が歪まなければいいけどね」


 その子、それはフィリアとアッシュのことを指していた。


「とにかく、まずはフィリアちゃんがしっかり理解しているのか確認しないとね」


 カトリーナはちょっと間違った方に気合いを入れながら、到着を待ったのだった。






話的には26話くらいで繋がります。



明日第25話を投稿します。

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