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第51話 変装

「どう!?ミレイユ似合う!?」


 貴族の御使いの男の格好をして、私はくるりと一回転した。

 王子から借りた魔道具で顔立ちも体つきも10歳くらいの男の子になっている。

 あれから、王子と食事を終え、騎士達の食堂に行ってみようということになった。

 騎士にもランクがあって、位の高い騎士達はAランク。

 今回ダンジョン討伐に向かう事になるのはAランククラスの騎士達だ。

 最初のダンジョン攻略は歴史に名が残るくらい名誉な事らしい。

 だから行く人たちもやっぱり位が必然的に高くなる。

 私が向かうのはそのAランククラスの騎士達の食事をだす食堂だ。

 貴族の令嬢が行くのはおかしいと言うことで従者の服装になって中身王子のシェールさんにくっついていっている。

 まだフリーズドライ食品の事は内密にしたいからとのこと。

 内密に進めて第一王子主導ということにしておかないと、利権にあやかりたい貴族連中がセンテンシア領にわんさか来ちゃうし。

 なのでシェールさんのお付きのお手伝いさんとして内緒で食事を一緒にすることになったのだ。

 もちろん毒がないか鑑定のスキル持ちの騎士も同行している。


 毒味が鑑定のスキルでできちゃうところがやっぱりゲームなんだよね。

 まぁ、私に毒はきかないのだけれど。


 王都の貴族の騎士様達が普段食べてる食事も食べておかないと。

 たぶんうちの領土の基準でフリーズドライ食品のレシピをつくっちゃうと味付けが濃すぎると思うんだよね。

 一応保存食だからそこそこ濃い味になるのは仕方ないけど。

 フリーズドライ食品もなんでも凍らせて乾燥させればいいってわけじゃないからある程度レシピは私達が考えなきゃだし。

 


 食堂の食事は従者が注文する事はできないけれどシェールさんについていって残した分は私が食べてもいいらしい。

 騎士寮はここくらいしか食事をするところがないから、みんなそうしてるみたい。

 

 というわけで。シェールさんに扮した王子についてくのにミレイユと私は魔道具で男に変装したのである。


「無駄に似合ってますよ。レン」


 とミレイユ。

 

 ミレイユも無駄にイケメンになっている。

 マジものの男ならモテただろう。



「それじゃあ行こうか?」


 と言ってお付きの騎士と王子が一緒に歩きだすのだった。



 ■□■


 Aクラスの騎士達の食堂は綺麗だった。


 うん、流石貴族のおぼっちゃまが騎士やってるだけはある。

 こう騎士団の食堂!っていうからむさ苦しい酒場のような食堂を想像していたのだが。

 レストランクラスで綺麗だし、食事もそれなりにちゃんとしている。

 味もそれなりに美味しい。

 が、先ほど食べたダンジョン産のお肉が美味しすぎてどうしても見劣りしちゃうけど。

 ただ味付けがどれもこれもお上品なんだよね。

 濃い味になれてしまった私には物足りない。

 でもこれくらいの食事を作らないといけないわけか。

 やっぱりこっちの料理人に何人か来てもらって研究しないと無理かもしれない。

 私たちが作るとどうしてもしっかりした味付けになっちゃうし。

 などと考えながら王子に恵んでもらった食事をモリモリと食べていると


「お待たせいたしました」


 と、私と同じくらいだろうか。

 10歳くらいの女の子が食事を運んできてくれて、私はそこで固まった。

 茶髪のぱっちり目の可愛い女の子。

 私はこの子を知っていた。

 レティの友達のモニカだ。

 レティと同じであまり裕福ではない領地の令嬢で、レティの仲のいい友達だった。


 え、ちょっと待ってほしい。


 なんでモニカが食堂で料理を運んでいるのだろう?

 モニカだって貴族様のはずなのに。


 私が思わずモニカをガン見してしまえば


「?

 何か御用でしょうか?」


 と、モニカが小首をかしげた


「あ、いえ、何でもありません」


 慌てて視線を逸らせば、?マークを浮かべながら綺麗に一礼して去っていく。

 その様子を見てたのか、シェールさんが手をあげると、騎士の一人が頷いて去っていった。

 たぶん彼女の身元を確認してくれるのだろう。


 なんでモニカがここに?


 私は彼女の去っていった方をしばらく見つめるのだった。

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