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第2話 塩を作ろう!

 私は紙に思い出せるだけの記憶を書き出した。

 そして羽ペンをとんとんしながら考える。

 そういえば、大分前からパパ……

 じゃなくてレティの父であるカルロさんが塩を工面するために別の領地を駆け回っていた。

 うちの領地は塩は干物にしたり漬物にしたりとかなり使うから、塩がないと死活問題なのだ。

 基本貧乏なんだよねこの領地。

 ほぼ自給自足でめぼしい特産品がない。

 塩がなかったら、外貨を稼ぐ手段がなくなってしまうのだ。

 もしかしてこれはもう嫌がらせが開始されてるのだろうか?


 うーん。っていうかパパじゃないのか。

 ついこの前までパパと呼んでいて、パパと思っていただけにかなりブルーな気持ちになる。


 中身が別人としったらパ……カルロさんはなんて言うだろう。


 悪魔呼ばわりされてしまうのだろうか。


 で、でも私の魂を入れ替えたのはレティだもの。

 私は被害者だよ!恨まれる覚えはない!


 ……うん。たぶん。


 かなりブルーになるのでこの問題は置いておこう。

 もう身体はレティになってしまったのだから戻しようがない。

 な、なんとか隠し通さなきゃ。

 戻る方法を探すにしても18歳までに見つかるなんて保証はどこにもない。

 まずは死ぬフラグを回避に全力を注ごう。


 よし!ここは知識チートだ!!


 こういう時web小説だと大体日本の知識で俺sugeeeができるはず!


 まずは塩をつくらないとね。

 塩。

 なにせこの領地。

 城壁内に港があるのだ。

 海水があるんだよ海水が!


 塩作り放題じゃないか!

 そしてこの世界には日本には存在しない魔法がある!

 きっと塩をお手軽につくる方法があるはずだ。

 あといつも不思議だったのが、魔石とかガソリン代わりになるものがあるのに車とかない事。

 これも工夫すれば作れちゃったりしないだろうか。

 

 こー異世界転生は夢が膨らむ一方だ。

 ロマンがあるよねロマンが。


 ……って、話が脱線してしまったけれど。

 とにかく塩を作る方法を探しに行こう。



 私はルンルン気分で、神殿の図書館へと出向くのだった。



 ■□■



「おや、お嬢様。読書ですか。偉いですね」


 図書室で魔法の本を読みあさる私に神官長ラディウス様が話しかけてきた。

 青髪で長身のイケメンな男性だ。

 年齢は20代くらいだろうか。

 パパと同じくらいといっていた気がする。


「うん!魔法の勉強をしようと思って!」


 私は記憶が戻る前と同じように元気一杯に喋る。

 中身違うのバレルと嫌だし。


「それはそれは。

 カルロ様が戻ってきたら喜びますよ」


 と、目で微笑んだ。


 ……確かに。

 

 記憶が戻る前の私は、魔法?何それ美味しいの?と外で遊び回っていた気がする。

 よく魔法を教えてくれる家庭教師の魔導士に怒られていたっけ。

 2人くらいやめてしまって、いまではこの領地のお抱え魔導士のミレイユに教わっていた。


「お嬢様は何の魔法を覚えたいのですか?」


 と、ラディウス様が私の読んでいた本を覗いてきた。


「えーっとね!火の魔法!」


 うふふと胸を張る私。

 やっぱり塩を作るなら火だよ火!

 海水を窯炊きして塩だけを取り出すんだ。


「……お嬢様。

 お嬢様は氷系統の魔法しか使えませんよ?」


 と、告げたラディウス様の言葉は……かなり残酷なものだった。

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