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第1話 現状把握

 さて。とりあえず状況を把握してみよう。

 私はペンと紙を手に取り考える。

 お姫様のような豪華な自室に戸惑いながらも、現状を書き込んだ。

 6歳の小さい手は思いのほか思い通り動かない。

 大人の手の感覚でやっているからだろうか。

 みみずのような字になってしまう。


 それでも私は一生懸命文字を綴る。


 まず、私は日本人で24歳の女。

 スマホゲーとRPGとweb小説を愛するヲタ女。

 

 私はスマホゲーをプレイしつつ、寝ていたら、気づいたらなぜか悪役令嬢になっていたのだ。

 しばらく転生したことも忘れていてすっかりレティとして人生を謳歌していたのだが、木から落ちた時頭を打って思い出した。

 私は日本人だったのである。


 うん。web小説を読んでいた時はありえないと思いながら読んでいたのだけれど。


 もしかして、あれか!?

 これは夢か!?


 私が魔法と剣の世界になんていけたら魔法バリバリ習って最強の魔法使いになるとか痛い夢見ていたせいで、こうなってしまったのだろうか!?

 これは普段の痛い妄想がなせる夢の世界かもしれない。


 ……まぁ、考えた所で仕方ない。

 夢ならそのうち醒めるだろう。

 とりあえず、夢じゃなかった場合を想定して何とか死亡フラグを回避しないと。



 一番の死亡フラグ回避方法は……


 第二王子の婚約者にならない。

 主人公がいる王国の魔法学校に行かない。


 これである。

 これこそが死亡フラグ回避の方法だ。

 この世界では14歳になると魔力の高い貴族は基本的に魔法学校に入学しなければいけない。

 そして確かレティは10歳の時、レティの父親が義母に操られて第二王子の婚約者に無理矢理させられてしまったはず。


 強制イベントで周回のたびに何ども見ているので内容を憶えている。


 第二王子派の嫌がらせでレティ領地は借金苦に陥れられ、身売りのような形で裕福な領地の娘とレティの父が結婚してしまう。

 だがそれは精霊様の加護のあるこの領地を手に入れるための第二王子派の策略だった。

 レティの父は薬を盛られ、廃人のようにされ、領地の実権は後妻が握ってしまう。

 レティは魔力が異常に高かったため、第二王子の后候補(といっても第二夫人的位置)として婚約させられる。


 が、主人公の活躍によって第二王子派のせいで父が狂ったと気づいたレティが主人公派に寝返り――結局王子達に断罪されて殺されてしまうのだ。


 主人公が気づいた時にはもう遅く、レティの死を受け入れられない主人公がレティを生き返らせるため賢者の石をつくろうと無理をし、ヒーローによって止められる。

 そして二人の愛情は燃え上がるという、ヒーローとのラブラブイベントの為に死ぬようなキャラなのだ。


 ありえない。マジありえない。

 私の屍は越えていかないで欲しい。

 というか死にたくない。


 ちなみにこのゲーム。

 乙女ゲー&育成&RPG要素を含んだゲームだ。

 ダンジョンを冒険しつつ、仲間を育てつつ、学校生活の4年間で攻略対象と結ばれる。

 というゲームだ。


 ツラツラと思い浮かぶ事を書き綴り、私は思う。



 なんとしてもゲーム開始前にこの死亡フラグを回避する!!

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