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バレました

あっさり加勢が終了して、有希は本来の籍である総務部へ戻った。

何ら変わらない見慣れたオフィスに安心すると共に、やっぱり少し寂しさが感じられる。

癒しだった給湯室も別々だ。

隣の部署なのに、隔てた壁がとても厚い気がする。


業務内容的にはほとんど前と変わらない仕事が回ってきたので、安心して取り組むことができた。

8ヶ月前と変わらない、いつも通りの毎日。

ただそこに、和泉の姿はない。

隣の部署なのに、本当に会わないし見かけない。

寂しいななんて思っていたら、おしゃべり好きな同僚が鼻息荒く話しかけてきた。


「ちょっと聞いたわよ、岡崎さん!」

「ど、どうしました?」


興奮しているのか、前のめりになっている。

有希は一歩後ずさった。


「和泉課長と付き合ってるんですって?」

「えっっっ!」


いきなりで動揺してしまう。

ジリジリと間合いを詰められて逃げ場を失った。

「ど、どこから?」と聞けば、


「和泉課長って以前より話しやすくなったじゃない?それでアタックしようとした子がいたらしいんだけど、岡崎さんと付き合ってるって言われたって。」


頭をゴーンとハンマーで殴られたような衝撃に、有希は思わず額を押さえる。

うん、和泉さんなら言いかねない。

人気が出たのには嫉妬するが、ちゃんと私という存在を示してくれたのも嬉しい。

てか、秘密にしておくんじゃなかったの…?

いろいろな思いが頭の中を駆け巡る。


「ね、気に入られてるって言っただろ。」


いつの間にか総務課長も話の輪に加わっている。


「まあ、仕事バカで愛想のないあいつが最近柔らかくなってきたし、岡崎さんの影響かなー。」


そう笑って、「さあ、仕事して」と有希たちを促す。


有希は開いた口が塞がらなかった。

ていうか、ひどく恥ずかしいんですけど!

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