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流星の騎士団  作者: 津々 佳織
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友達

なかなか難しかったです。

「友達……?」

 セイカは初めてそんな事を言われたので、なんて言葉を返していいか戸惑う。スラストに出会うまで、セイカは独りだったから。

 からかっているのだろうか……?

 しかしラスティンの目は真剣だった。嘘ではない。

 セイカはだんだん恥ずかしくなってきて、顔を真っ赤にして顔を伏せた。

「なんだ?お前熱でもあんの?」

 ラスティンの手がセイカのひたいにふれると、セイカはその手を振り払った。

「なんで振り払うんだよ?熱がないかみただけじゃん!」

 

「知らない……!」


 セイカはますます顔を赤らめた。するとラスティンはセイカの服のすそを引っ張った。

「これならいいだろ?触ってねーし。俺、ラスティン。よろしくなセイカ」


 ケンカしいたはずのセイカとラスティンが一緒に戻ってきたので宿舎の騎士達はとても驚いた。 

 そしてここにはいないミラの事を思った。

 

 皆、ミラがどんなに苦労して、恋愛に疎いラスティンと両思いになったか知っていたから。もちろん、真面目なラスティンが今すぐにセイカとどうこうなるとは思わないが、言うなれば

不思議な予感である。


「セイカ飯にしようぜ?」

 ラスティンに手をひかれ、セイカは座った。ラスティンはセイカの前に沢山の食べ物を広げる。でもセイカは胸がいっぱいで

あまり口に運ぶ事ができなかった。

 すると、ラスティンは黙ってセイカの分までパクパクと食べ始めた。いい食べっぷりである。

 そういえばとセイカは思った。

 スラストもセイカの食の細いのをやんわり叱りながら、いつも黙ってセイカの分まで食べてくれたと。


 穏やかな時間がするすると過ぎていく。ラスティンは、しつこくセイカの世話を焼くといった感じでなく、でもセイカが困っているとさっと走ってくる。

 セイカはそんなラスティンを嫌いじゃないと感じていた。


「ここには慣れましたか?」

 そんな昼ざかり、一人の女性がセイカを訪ねてきた。 

 流星の国の姫、マリーローズだ。マリーローズは金の髪の穏やかなそうな女性だった。

「……」

 セイカが答えられずにいると、そっとセイカの隣に腰かけた。

「ラスティンは良い子でしょ?口は悪いけどね。友達がいはあるのよ」

 セイカもそうだと思ったが、つい可愛くない事を言ってしまった。

「こんな平和な国に育てば、そうなるわ」

 セイカはしまったと思った。どんな国に育ても、大変な事、辛い事はあるのに。まるで自分だけが辛い思いしてるみたい。

 セイカの言葉を聞いてマリーローズは黙ってしまった。

 そしてゆっくりとラスティンについて語りだした。


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