あなたの王国
短くてすみません。
セイカが制服に着替えて下に降りると、同じ水色の制服を着た
数人の大人達がいた。
「やあ、来たねセイカちゃん。さあ座って、座って」
セイカが戸惑いながら座るとめいめい話かけてくる。
例えば、好きな食べ物?とか年齢はいくつかとか?
他愛もない質問だ。
セイカはうつむいて黙っていた。セイカは人が苦手だ。そしてこんなに話かけられた事はない。
「……スラストを殺したのは誰だ?」
セイカがうつむいた顔をあげると、赤い瞳と目があった。ラスティンだ。
「私だって言ったじゃない……」
「お前みたいなか弱いやつには無理だ」
ラスティンははっと馬鹿にしたように笑った。
ムカつく!こいつムカつく!
セイカは拳をぎゅっと握りしめた。
「まあまあラスティン、セイカちゃん、ケンカはだめだよ〜。
でもセイカちゃん、やっぱりミラはセイカちゃんが団長を殺すのは無理かな〜とか思うかも。
だから……」
「私よ!私が殺したの!」
セイカはミラの言葉を遮るように叫んだ。
確かにセイカはスラストに直接手を下してないけど、それでも
自分に出会わなかったらスラストは死ななかった……とセイカは考えていた。
「そうか……じゃあさ」
ラスティンは腰に挿していたつるぎを引き抜くと
セイカに投げてよこした。
「勝負しようぜ!」
セイカを見つめる赤い瞳、逃げるわけにはいかない。セイカは剣を拾いきゅっと握りしめた。
まだ続きます。