残り香
目を覚ますとセイカは、見慣れない部屋にいた。
ここはどこだろう?
セイカはキョロキョロ部屋を見渡した。
知らない部屋……なのにどうしてか
ここは懐かしい匂いがするのだ。
セイカの胸がきゅゅんとなるような。
「あっ、セイカちゃん起きたぁ?」
部屋に入ってきたのはミラだ。
ミラはセイカと目が合うと、本当に嬉しいそうに微笑んだ。
「具合どうかな?昨日はラスティンがごめんね〜
ラスティンって怒ると周りが目に入らないタイプだかさ
困ったもんなの。
でもそこが好きなんだよね、ミラは」
ミラは頬を赤らめてた。
「ここ、どこ?」
セイカはそんなミラを無視して、話を進めようとする。
しかし、ミラはそんなのお構い無しで
ラスティンとの出会いから、好きになったきっかけ
そして最近やっと付き合いだしたことを説明した。
この人周りが見えてないのかしら?
セイカが若干イライラしてると、セイカの部屋に
ラスティンが入ってきた。
目が合うとラスティンは、心底嫌そうな顔をしたので
「なによ!」
セイカの言葉もついきつくなる。
ラスティンは、セイカに服を投げつけた。
淡い水色の制服だった。
「なんなの?」
ラスティンはその質問には答えない。ラスティンもとても不機嫌そうだ。
「早く着替えろ!着替えたら、下に降りてこい!
ミラ、いつまで遊んでるんだ!」
ミラは慌てて部屋を出て行くラスティンを追いかける。
やれやれとセイカはどうしたものかと、その服を見つめた。
「それね……」
いなくなったと思ったミラがヒョコリと顔を出す。
「団長が昔着てた団員服なの」
スラストが?
セイカの胸がきゅゅんと再び締め付けられる。
「ここ誰の部屋なの?」
ミラはきょとんと首を傾げると、少し悲しそうに笑った。
「ここは団長の私室だったの。
まだ団長の物があふれていてごめんね。
今度、一緒に片付けようね」
ミラがいなくなった部屋、セイカは泣いた。なんて懐かし匂い。忘れようとしてるのに、忘れられないのだった。
なかなか進まなくてすみません〜。
いつもありがとうございます。