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転生、そして再臨【召喚】part2

ナルの能力を確認していた亮太は謎の音を耳にする。

ぼとっ


「「へっ?」」


ナルと亮太は二人同時に頓狂な声を発した。


「なあナル、今落ちてきたあいつってさ……」


「うん、疑いようもないよ。あれはーー」





「うわっ!……ぼ、ぼぼぼぼぼ僕……が二人!?!?あっ一人死んでる!!!?」





もう一人のナルだった。

(管理が大変なのでここからはナルαと表記します。)


「えっと、なんで?亮太」


「知るか!!」


バグスキル。

恐らく、別世界の因子とこの世界のスキルの因子である井戸水の権能がバランスを取れずに暴走したのだろう。


「今ならまだ戻れそうなんで、戻って他の残機たちに伝えてきましょっか??」


と、ナルα。

見ると、先ほどの亀裂がだんだん閉じ始めていた。


「わかった、頼むぞ」


ナルαは亀裂へ、そそくさと帰って行った。


「ふう、ビックリした……そういえばこの世界の仕組みについて何も知らないんだけれど?」


ナルは俺に聞いてきたが、部屋に閉じ込められている俺はそんなことを知るはずもなく。


「あー、面倒くさいからヴェイグに任せるわ」


逃げた。


「お呼びでしょうか??」


いつからいたんだ……?


「いつって、そりゃ今ですけど」


今一瞬、ナルが本気で引いたように見えたが放っておこう。


「こんにちは、ヴェイグ・ウロボロスと申します。宜しくお願いします」


「ナルと言います。苗字はありません。挨拶早々失礼かもしれませんが、この世界について教えてもらってもよろしいですか??」


「ああ、そんなことなら。わかりました」


ヴェイグは愛想よくナルに笑みを向ける。

他人行儀甚だしいなコイツ。こわいこわい


「あ、亮太様は今日のお昼抜きにしますね」


「酷ォッ!?」


「それでは説明に入らせてもらいますね。ええとーー」


この世界には神の加護と死神の加護の2つの加護が存在する。

加護とは使える属性を決めるようなもの。言ってしまえばある種の制約だ。

神の加護を受けると当然、死神の加護による魔法である魔術は使えない。

逆に、死神の加護を受けた者は神の加護による魔法である聖術は使えない。

魔法は聖術と魔術の二つを纏めた言い方。

聖術、魔術共に

火、水、光、闇、空間の5系統に別れている。

各属性毎に四つの段階が存在する(ただし空間は二段階)。が、普通の人間は使えても二か三段階目までらしく、四段階を使えるのはよほど規格外の、それほど神レベルの者しか使えないらしい。

ちなみに魔術の方が全体的に強力らしいがかなり魔力消費が激しいらしい。

例外には禁忌があるがそれは話すことすら憚られるようなものらしい。それについて一つだけ忠告された。

絶対に禁忌を犯すな

と。

ここまでは先の講義で聞いていたためなんとも思わない。流石は最高峰の魔術師名だけあって説明がわかりやすい。


「ちなみに俺はどっちの加護です?」


「『燃え上がれ紅き炎。ブラン』と呟いてみてください。」


「燃え上がれ紅き炎、ブラン」


……何も起こらない。


「では次に、『燃え上がれ黒き炎、ファルム』と呟いてみてください」


「燃え上がれ黒き炎、ファルム」


黒い光が彼の前方に生み出された。


「死神の加護ですね」


次からは初耳だ。


「なるほど、基本になる能力的なものについては理解出来たよ。ところでこの世界にはギルドというものはあるのかな?」


「ありますよ。ここから200kmほど離れた、マルマルという隣町がありまして、そこは基本的に生活に必要な整備はすべて整っています。ギルドはその街の中心部に置かれています」


「まってくれ、話についていけない」


え?とでも言わんばかりにこちらを見てくるその目は

『えー?さっきめんどくさいとか言ってたけど実は知らなかったんじゃないの~?』

とでも言いたげな、見事なジト目である。

それをあしらうと、ヴェイグが補足を始めた。

「これは失礼しました。ギルドというのは依頼したり依頼されたり、その間を取り持つ組織のことです。それだけではなく、冒険者同士の情報交換や取引にも利用されます。少し前までは商会などもありましたが、ギルドに統合されました。よって、生活におけるほぼ全ての事柄にこのギルドが絡んでくると言えるでしょう


「依頼内容はどんなものなんだ?」


「そうですね……例えばオーソドックスなのから順に言うと魔物の討伐や捕獲。懸賞金がかけられている人間を捕まえたり、もっと楽なのだとレストランの雇いとか、普通の求人もあります」


なるほど、元の世界にいた時に良くやっていたゲームの中と基本的な構成は似てる。ギルドは本当に存在するんだな。

なんかちょっと感動……

俺が理解したのを見ると、ヴェイグは話を続けだした。


「試しにこの後出かけてみます?マルマルまで」


「お、良いですねそれ。行きましょうよ!」


「行ってらっしゃい」


「え?」


「俺はここから出られないんだ」


俺はそう言うと戸に手をかけゆっくりと足を踏み出した。すると、件のように。


「んなっ!?」


ナルは一瞬でこっちに移動した俺を見て驚いている。

俺は慣れたけどね。


「この通りだ。」


「ごめんね、そっちの状況も知らずに」


「いや、いいんだ」


「土産物を頼むよん」


数分後、支度を整えた彼らは出かけて行った。


次話はナル視点です!

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