第07話 お化けVSたぶん盗賊
第07話
さらなる進化をする為に、来世の為の善行を積む為に人のいる所を目指して遥か上空を進む。
いやぁ、いい眺めだ。しかし移動速度が最初とあまり変わらないな。最初はジョギング程度の速度。今はちょっとダッシュした時ぐらいの速度。疲れないから常に移動し続けることができるが、陽も暮れて夜になってもまだ町も何も見えない。
おっ、新しい森発見。ちょっと見ていくか。もし強そうな魔物がいる森ならまた進化できるかもしれないしね。
下降し、気配を消しながら森を散策する。木の感じからいって普通の森だな。魔の森(仮)のような雰囲気ではない。魔物も角の生えた30センチぐらいの兎とか50センチぐらいの芋虫とかしか見かけない。
この森はハズレかなぁ。とか思いながら進んでいると明らかに舗装された道ぽいものに出た。道には馬車っぽい車輪の通ったっぽい溝なんかもあるし、この世界に来て初めて人間に会えるんじゃなかろうか?
誰だよこの森がハズレとか言ったの。大当たりじゃないか。取り敢えず道沿いに進もう。
いよいよ人間に出会うとなるとちょっとドキドキするね。
数分ほど道沿いに進んでいくと前方に馬車っぽい後姿を発見。あとなんか怒鳴り声が聞こえるんですけども?
よく見たら馬車を囲むようにする20人ぐらいの集団と馬車を守ってる風な人が数人対峙しているようだ。これはあれか?異世界でのお約束。盗賊イベントですかな?
善行ポイントを稼ぐチャンスじゃないか!テンション上がって来た!
いきなり出て行っても双方から袋叩きにあう可能性が無きにしも非ず。なので気配を消して森に隠れながら進む。近づいて会話に聞き耳をたてるが、ここで重大な事実が発覚。
何言ってるか分かんない。
そうだよね。異世界人が日本語話すわけ無いもんね。
えー、普通転生したら無条件に異世界語って理解してるもんじゃん。まじかよー。不親切すぎだろー。
そうこうしている内に向こうはなんか黒幕風に出てきた男が周りの盗賊風の奴等になんか一言命令してから去って行こうとしている。そして盗賊風の奴等が剣を構えて今にも襲いかかろうとしている。
うだうだ言ってる場合じゃ無いな。取り敢えず盗賊風の男達を殺ってしまおう。
生気を吸うとミイラみたいに干からびてしまって印象が悪いかもしれないし今回は凍らせていく方向で。
一気に10人の盗賊を念力で宙に浮かす。生き物を浮かす事は出来ないが人間が身に付けている物は浮かす事が出来る。今回は上着では脱げるかもしれないのでズボンを浮かせている。
その為か浮かしている10人全員が股間を押さえて悲鳴をあげている。
まぁ、そうなっちゃうよね。今奴等は股間だけで全体重を支えているわけだから。
そして全員を一ヶ所に集めて人魂を2発ほど発射。
よし、全員凍ったな。凍った奴等を脇に退けて戸惑っている次の10人も同じ様に処理する。
残りの端数の盗賊と黒幕っぽい男も続けて凍らせて終了。
残された馬車の護衛っぽい騎士っぽい人達は皆呆けている。
さてここからどうするか。言葉が通じない上に俺って実は喋れないのよね。口が無いから。
出て行っても俺は魔物だし攻撃されそうなんだよねぇ。異文化コミュニケーション取ってみたかったんだが諦めるしか無いか。騎士っぽい人達今むっちゃ警戒してるし。
取り敢えず人助けしたんだし善行ポイントは稼げただろう。この調子でどんどん稼ぐぞ!
そうと決まれば次の獲物(困ってる人)を探しに行くとしますかね。