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お化け物語  作者: ああああ
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第06話 お化けVS亀

第06話



虎狩を続けているうちに段々と念力での操作も上手くなってきた。ただ精密な動きをさせようと思うと一個しか動かせないけどね。

それでも一々潜って移動しなくても気配を消し隠れながら人魂を飛ばし自分がいる方向とは別の方向から飛んでいかせば場所がばれないので反撃を喰らう心配も無い。

氷漬けにしたら触って終了だ。


ふっ、虎ならもう余裕だな。

しかしこの辺には虎以外にも青い狼や、2メートルぐらいある赤い鳥とかデカイハリネズミっぽいのとか色々いる。狼は群で動いてるので見つけたら即逃げている。赤い鳥は火を吐くうえに凍らせてもすぐに溶ける。ハリネズミは虎と同じ要領で狩れる、というより複数で行動するものと鳥以外は狩れるな。

気になっていた死体がゾンビ化する事も無いようだしどんどん狩っている。おそらくは俺が生気と呼んでいるのは魂的なものなのだろう。そして魂が無かったらアンデッドも生まれないという事だと思う。まぁ魂自体を吸収してるんじゃないだろうな。魂は輪廻転生のためにあの世に逝くしね。


しかし今森のどの辺に居るんだろう?

久しぶりに上空へ上がり見渡してみる。ぐるっと見渡してみてかなり離れた所に最初の廃墟を発見。うむ、だいぶ遠くまで来たな。今居るのが丁度森の中心辺りのようだ。一番近い森の出口は廃墟の丁度反対側だな。


このまま森を出てもいいけどもう一回ぐらい進化しときたいな。なんとなくあと少しで進化するような気がするんだ。じゃぁ今日も狩りまくるぜ!


俺の感覚なんて当てにならないな…

進化がはじまったのはあれから2ヶ月ぐらいしてからだった。冬も終わりが近づいているのが景色の変化で分かる。


まぁそんな事より身体チェックだ!

体は白さが増した以外変化はなさそうだ。帽子も変化無し。そして杖はなんか先っちょの赤い石が透明度が出てきて宝石っぽくなった。石が付いている部分もちょっとした装飾が出来ている。

取り敢えず振る。何時ものように人魂が飛んで行く。ぶつかった木は氷漬けになるが今までとは威力が違うっぽいぞ。何と言うかより深いとこまで凍ってる感じ。

あと人魂が3つ出せるようになっている。あと地味に念力で動かせる物の数が5個になっていた。


そしてなんと!直接触れなくても離れた位置から生気を吸えるようになっていた。だいたい10メートルぐらい離れてても吸える。これはすごい便利だ。杖を向ければ離れてても吸えるので一々凍らせる必要が無くなったのだ。

狩りが捗るぜ!




ちょっと調子に乗り過ぎたかもしれない。今まで逃げていた鳥や狼も手当たりしだいに狩っていった結果この辺で生きているものを探すのも苦労するようになってしまった。

この世界に魔物愛護団体がいたら確実に訴えられる。虎なんてもう何日も見かけていない。

ひょっとしたら絶滅したかもしれない。

1つの種族を絶滅さすとか善行ポイント的に来世がヤバイんじゃなかろうか?

いや、人間的には危険な魔物がいなくなるのは良い事のはず!


………待てよ。俺は魔物なんだから魔物的な善行を積まなきゃいけないんじゃなかろうか?

魔物的な善行?人間から魔物を守るとか?人間を滅ぼして魔物の領域を広げるとか?


………保留だ。考えても分からない事は保留すればいいんだ。

取り敢えずやっちゃったものは仕方ないので人間的な善行でいこう。もう取り返しつかなさそうだし。

そして獲物が居ないのでここに居ても仕方がない。ついにこの森を出て新たな場所へ旅立つ時が来たのだ。俺は廃墟の反対側の森の出口を目指して進む事にした。


気持ちも新たに旅立とうと少し進んだその時、気配を感じるなんて便利な能力持って無かったはずなのに何やら凄い存在感を感じる。これも進化して得た能力か?

野次馬根性でそちらへ行ってみると公園なんかに有りそうな小さな山があった。草とか苔とか生えてるけどこれは間違いなく亀の甲羅じゃないかね?

直径5メートル以上ありそうな大きな甲羅だ。地面に埋まっていて甲羅だけ出てる感じ。


これはあれか?お約束の魔物の領域のボス的なあれか?

まぁいい、有り難く吸わせていただこう。射程距離である10メートル程離れて吸収開始。

五分ぐらい吸ってるけど亀に変化は無し。どうなってんの?もの凄い量吸ってるんだけど全然尽きる気配が無い。

おいおいおい、吸い尽くす前に進化きちゃったよ!

一旦吸うのを止めてボディチェック。体は相変わらす白くなった以外変化無し。杖は装飾がちょっと変わったぐらい。あとは帽子に赤いラインが入ったぐらいだな。

あとは人魂が5個になって威力が上がり念力が7個になり吸収が15メートルになった。

あとは範囲吸収を覚えたようだ。自分の周囲5メートル程を吸収出来る。

さて確認も済んだし吸収再開だ。

さすが亀。体力特化な魔物らしい生命力だ。まだ尽きないとはな。

しかしさすがの亀もそろそろ我慢の限界のようで、ついに動き始めた。

ゴゴゴゴゴッと地面が揺れ甲羅の周りの土が捲れ帰り周囲の木が薙ぎ倒され甲羅がどんどんせり上がっていく。そしてついにその全容が明らかに!


何これ?20メートルぐらいあるんですけど?誰だよ5メートルとか言ったの。

これは危険が危険で危険な感じだな。絶対範囲攻撃とか持ってそう。

ということで奴の甲羅の中にすり抜けて潜り直接吸わせていただく。いくらデカくて強くても自分の体内に攻撃する術はあるまい。


亀の体内で寛いでいると外からはもの凄い破壊音が聞こえてくる。音だけだから何してるか分かんないけど音だけで怖いね。霊体で良かったよ。亀の移動に合わせて自分も移動しながら吸収し続ける。


かなりの時間がたち外が今昼なのか夜なのか分からなくなった。多分亀の中に入って数日はたったと思う。そしてようやく亀は動かなくなった。それと同時に俺も5度目の進化が始まった。亀の中から出て確認しようと思ったら昼間だった。

この世界に来て初めて日光を浴びてしまったが、体に変化は無かった。


ふっ、進化して弱点を克服してしまったようだな。これで昼間も活動出来るぞ。

さて、ボディチェックだ。体は変化が無い、と言いたいがついに白過ぎて少し輝きだしている。どうすんだよこれ。夜とか超目立つじゃん。シーツも最初は麻っぽい感じだったのが今じゃぁ絹っぽい光沢がある生地になっている。

あと首の所っていうか首?首なんてあるのか?まぁいい。推定で首の所に赤い蝶ネクタイがあるんだが。ちょっとオシャレになった気分。

他は杖の装飾がまた変わって複雑になって石がカッティングした宝石みたいになってるだけだな。

そして人魂が7個になって威力が上がり念力が10個になった。遠隔吸収と範囲吸収は変わってなかった。


人魂の威力はかなりのものになった。一発で3メートルぐらいの範囲が凍るようになった。

そして懐かしいなんか出来る気がするという感覚がある。今回はなんか移動できそうな気がする。目の前にあるデカイ亀の甲羅の天辺に行きたいと思ったらなんと瞬間移動していた。


幽霊って前方に居たと思ったら次の瞬間には背後に居るとかお約束だもんね。

どうやらこの瞬間移動は視界の範囲内の100メートル以内にしか転移出来ないようだ。それでも充分過ぎる性能だけどね。


さて、一通り確認も終わって落ち着いたので周囲を見回してみる。

亀が暴れたせいで魔の森(仮)が悲惨な事になっている。俺が原因だが俺がやったわけじゃないからセーフだよね?

俺は最初の目的通り上空に上がり森(犯行現場)から旅立つべく移動を開始した。

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