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お化け物語  作者: ああああ
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第05話 お化けVS剣虎

第05話



さて、色々考えることができてしまったな。

まず地面に潜って移動しても存在が拡散しない理由は正しいかどうかは知らないがなんとなくは分かるんだ。

最初の頃は俺は宙に漂うモヤみたいなものだった。だから存在がすぐに拡散してしまっていた。でも今は風船のような外殻に覆われている感覚というのだろうか実際には違うが表現するならそんな感じなのだ。


そして虎さんに気付かれた理由もこの辺にあるのだろう。

俺が生気を吸うと存在感が増したみたいと言ってきたが、これはおそらく霊という不確かなものを現世に留めるのに必要な力、この世界に存在するのに必要な力が増したということなんだと思う。

その力が弱かったら吹けば消え去るほど曖昧で不確かな存在になってしまう。

その力が強ければこの世界に確たる存在として現界できるのだろう。

つまり力が強まればボヤけたモヤモヤからはっきりとした輪郭を持ったモノになれるわけだ。

で、俺にも輪郭ができたから地面の中を移動した程度では拡散しなくなったということだろう。そして存在する為の力、つまり存在力が強まるということは周囲のものに対してここに何か居ますよ〜と無意識に、無差別にアピールしているのだろう。

漫画とかでよくある気配みたいなものかな。

前世で1人しかいない部屋でふと背後に何か居る気がするけど振り返ると何も居ないみたいな時があったが本当は霊がいたのかもしれないな。


要するに俺は気配がダダ漏れなのである。

そういえば森に来た直後でも兎や小鳥に何故か気付かれて逃げられていたのを思い出す。


よし、まずは気配を消せるようにならないと森の奥とか無理だな。

早速修行を開始!

したいがまるでやり方が分からない。小動物を探して見つけたら息を潜めて(息なんてしてないけど気分的に)ゆっくり近くが早々に逃げられてしまった。

難しい。正解が分からないから余計に難しい。そもそも気配を消すとか可能なのか?


いや、幽霊とは気づかれないように近づき不意を突いて驚かす存在のはずだ!

たぶんおそらくきっとそうに違いない。地道にやっていけばきっとできるようになるさ。


蟻を狩っていた半年以上の間に気づいてさえいれば…

取り敢えず兎にタッチできるようになるまで特訓だな。あとできれば生気を吸う吸わないをコントロールできるようにしたいものだ。今更兎の生気を吸ってもなんの足しにもならないしできれば来世の為に無駄な殺生は避けたい。

今世で善行を積んで来世でチートでハーレム作ってうはうはな人生を送るんだ。


蟻を万単位で殺してしまったが魔物だからノーカンでお願いします。


それからは特訓の日々を送った。

動物に逃げられ、生気を吸うコントロールに失敗し草を枯らしてしまう毎日。

気づけば冬になっていた。雪が降り積もり動物は巣穴から出なくなり草は枯れ果てている。

冬になったから枯れたのであり断じて俺が失敗し続けたせいではない。たぶん。


しかし苦労の末にようやく気配を消す事と生気を吸わずに生き物に触れる事に成功した。


だがここで俺は重大なミスに気がついてしまった。

虎の攻略法を考えてなかったのである。なんでこうも要領が悪いのだろうか俺は。


まぁ取り敢えず不意打ちで人魂当てて地中に逃げる。ヒットアンドアウェイでいこう。

そうと決まれば早速行くか!


そして着きました魔の森(仮)入口。気配を消しながら木に隠れて進む。奴が居ないか注意深く見渡しながら進む。

30分ほど進んでようやく見つけた。30分進んだといってもあまりにも慎重に進んだので大した距離ではないが。


奴はまだこちらに気づいていない。ちょっとした広場のような所にこちらにお尻を向けてドッシリと寝転んでいる。

ふふふ、その間抜けな尻を氷漬けにしてやるぜ!

早速人魂を2つ飛ばしていつでも逃げれるように体を半分地面に埋める。

寸前で奴は人魂に気づいたようだが気づくのが遅かった。咄嗟に飛び起きようとしたが後ろ足に着弾し尻尾と左後ろ足が氷漬けになる。もう一発は外れてしまい地面に当たった。

奴がこちらを見る前に地面に潜り移動を開始。対角線上に反対側でゆっくり顔を出す。

再び奴の尻が目に入る。奴は俺が元居た方向に向かって唸り声を上げている。

人魂をまた2つ飛ばして地面に潜る。今度は奴の側面を取れる位置へ。


撃つ潜る、撃つ潜る。


気づくと奴は完全に氷漬けになっていた。近づいて触れて生気をいただく。

うむ、進化はまだまだしないだろうがかなりの生気を吸わせていただいた。

一対一なら勝てるな。これからは虎狩りだ!


でも、生気を吸ってるからしょうがないんだけど虎がミイラみたいに干からびてるのが不気味だ。このままゾンビになるんじゃないだろうな?動かないよねこれ?


不安になってきたのでさっさと移動しよう。次の獲物を求めて気配を消し木に隠れながら進んで行く。

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