表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お化け物語  作者: ああああ
2/10

第02話 お化けVS虫

第02話



あの後視界が暗転し気づいたら夜の廃墟っぽい所にたたずんで…いや浮いていた。

浮遊霊だから浮いてるんだこれが。足なんて無いし。霊だからね。

あと体を見たかぎりなんかハロウィンとかにあるシーツをかぶったオバケ的な感じがする。顔の辺りを触ってみるが目と思わしき穴が2つあるだけだった。それ以外何も無い。口が無いせいか声も出ないようだ。

鏡とかが見当たらないからよく分からないんだがひょっとして俺って見た目ちょっと可愛いんじゃない?

大きさも1メートルあるかないかってぐらいだし。

手もペンギンの羽根みたいな感じで指がある感触は無い。


ふっ、これは見た目を活かせば女の子にチヤホヤしてもらえるんじゃなかろうか!


よし、ちょっとポジティブになれたぞ。

まぁ…魔物なんですけどね…見つかったら絶対攻撃されるな…


さてまずは進化して少しでも強くならなきゃいけない。

じゃなきゃすぐ死んでしまう。


ところで…どうやって進化するの?

敵を倒してLv上げればいいの?

というかステータス無いのにLvとかあるの?


くそぅ、あの公務員(仮)め!声にならない声でちょっと待ってって言ってたのに!

あとやっぱりあの住所だの名前だの書いた紙なんの意味もなかったじゃねぇか!


まぁ他に思いつかないし適当な魔物でも倒して…

どうやって攻撃するの?

自分の手を見てみる。ペンギンのフリッパーの様な白いシーツが見える。

廃墟の壁をぺチッという感じで叩こうとするがすり抜けてしまう。


物理攻撃はすり抜けるって言ってたもんね。当然自分の物理攻撃もすり抜けるよね。


魔法的な何かを使えるのかと思ったけどどうやって使えばいいのかが分からない。

武器を持とうにもすり抜ける。これは詰んだか?


何か無いかと思って辺りを見回してみて初めて気づいたんだがこの廃墟俺以外にも霊が多すぎ!

今更気づいたのかと言われるかもしれないが俺だっていっぱいいっぱなのだ。周りとか見てる余裕なんて無いし。

で、霊なんだが俺とは違って青白い顔の人間やらエルフっぽいのやら獣耳等がホラー映画みたいな感じの血みどろで白目向いた状態でアーーとかウーーとか言いながらあっちこっちをさまよっている。ゾンビっぽいのもいる。


はっきり言って超怖い。生身だったら確実にチビってる。

幸いにして同じ霊だからか襲ってくる様子は無いが怖い。

お家帰りたい。


さっき壁をぺチッとした家を見てみる。ボロい。けど今は何故か壁に囲まれた場所に居たい気分なので中に入ってみる。中に他の霊やゾンビがいないか確認しながら中を見回しつつ家を探索。普通の石造りの家で家具等は見当たらなく中世ヨーロッパって感じがする家だ。


一通り見たが霊やゾンビは居なさそう。そして奥にタンスっぽい木製家具を発見。中に入ると四方が壁に囲まれてて落ち着く。この暗くて狭い壁に囲まれた場所の落ち着く感じってなんなんだろうね。俺だけ?そんな馬鹿な。


ここをマイホームとして活動しよう。

取り敢えず攻撃手段の確保だが何か無いだろうか。

考えながら辺りを見回す。真っ暗の筈だが霊である俺にとっては昼間の様な明るさに感じる。ふと見ると壁に虫がいた。5ミリもない小さな虫だ。

なんとなく近づいてぺチッと叩いてみる。まぁすり抜けるんだが。


しかし虫は一瞬震えた思うとポトッと床に落ちて動かなくなった。


何と無く自分が虫の生気を吸い取ったんだという事が分かった。うまく表現出来ないが何故か分かってしまった。まぁ生気を吸っても体に変化は無さそうだが虫一匹の生気で何かが変わるわけも無いか。


これはあれか、生物の生気を吸っていく事で強くなれるんじゃなかろうか?

他に攻撃手段も思いつかないしとうぶんこれでいってみよう。

そうと決まれば早速獲物を探そうと外に出るが…

ここは生き物の気配等全く無い廃墟…いるのは怨霊とゾンビと稀に虫。

ここで強くなるのは無理っぽいな…


廃墟の外はどうなってるのかと上空に登って見てみる。自分がいるのは廃墟の入口近くのようで奥にはボロい城がある。どこかの国の王都だったのかかなりの広さがあった。

肝試し気分で城とか行ってみたいがリアルオバケがいるのでやめておく。


さらに上空へ登って街の外を見るとかなり離れた所に森が見えた。

うぅむ、結構遠いな。日光が弱点と言われているので移動中に朝になったら洒落にならないしなぁ。

いや、地面に潜ってしまえば日光は避けられるか?

取り敢えず地面に潜れるかどうか試してみよう。まぁ壁もすり抜けれるんだからいけるだろう。


地上に降りていく勢いのまま地面に潜ってみる。

すると何の抵抗も無く地面に潜れた。が、何も見えない。

そりゃそうか。暗いとかじゃなく物理的に土で埋まってるんだから先なんて見れる訳が無い。まぁこれなら日光も避けられるだろう。


よし、じゃぁ森目指して移動しよう。

俺は体は地面に埋めて顔だけだして森の方へ進み始めた。さらばマイホーム。


しばらく進むとなんだかおかしい事に気づいた。

なんか体がというか意識が朦朧と…


はっ!そうか!物理攻撃も喰らい過ぎると存在が拡散されるって言ってたじゃん!

地面に潜りながら進む=物理的に体が土と擦れてる=物理攻撃判定って事か!


俺は慌てて地面から出る。地面に潜ったら移動はしない方がいいな。あくまで緊急避難として潜るだけにしておこう。

移動を再開する。移動速度はどんなに頑張っても軽い駆け足程度なので結構遅い。

森はまだ遠いのに空がほんのり白みがかってきた。どうやら地面の中で次の夜まで待たなくてはならないようだ。

動いてはいけないしする事も無い暇な時間はとても苦痛だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ