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LAST DAY OF EARTH  作者: TATEO
6/10

滅亡まであと300~200日 前編

僕の生活は劇的に変わった。


朝は通学の時間帯には起きて、外が晴れていたら昨日の夜にかけた洗濯機から服を取り出して、干す。それからベランダで家庭菜園しているミニトマトの苗に水を与える。お母さんが好きで買ってきた苗だ。そこから僕は食パンを一枚取り出してトースターでこんがりと焼き上げる。褐色に焼けた表面にマーガリンを塗って食べる。牛乳をコップに注いで口が乾燥したら牛乳で流し込む。朝食を済ますと、

僕はテレビで今の世界を知ることを始めた。昼は即席麺でラーメンを自分で作って食べた。洗濯物を干す。そのあとはテレビを見て時事を知る。夕食は基本的にはお母さんだったけど、僕が作ることも5回に1回くらいあった。そしてご飯を食べたら片付けて寝る。そんな生活を続けていた。


この数日間で僕がゲームをしていて気づかなかったことはたくさんあった。


まず、なぜ地球が滅亡するのかについて。


原因は定かではないが、最初は太陽ほどの大きさということだったが、その惑星または隕石は、銀河系の星たちをすべて壊してしまうほどの大きさであり、その惑星の通過する軌道に、地球が入っているらしいのだ。太陽すら飲み込むほどの大きさのソレは、周辺の銀河系一体を破壊しつくす可能性があるだろう、というのである。そして、その巨大な物体が到達するのはあと9ヶ月後。国際宇宙機構も対策を急ピッチで進めているが、今まで経験したこともない大きさのソレに対して、どこまでできるか絶望的だろう、という見解らしい。インターネットでも調べてみると、具体的な国際宇宙機構としての対策内容は、超巨大ミサイルの設計と開発を謳っているが、どこまで本当かは噂レベルであるようだ。巷では宇宙機構は解散しただとか、全員が精神崩壊してしまい、ろくに仕事ができなくなった、などいろいろな情報を得ることができた。ただ、それらの内容を見て一番感じたことは、3か月たった今でも、現状と何ら進歩しておらず、絶望的な状態は変わらない、ということだ。裏の金持ち達は、宇宙船を使って逃げることも考えているらしい。


掃除機かけが終わると、僕のスマホがブルブルとなった。お母さんからのLINEメッセージだ。

鳥のもも肉300g、キャベツ1玉、鮭の切り身3切れ1パック宜しく♡

いい年なんだからハートなんか使うなよ。

ため息混じりで僕は了解、とメッセージを送った。メッセージを送り終わると、エコバッグ片手に僕は夕方の街に出た。


日々思うことだが、食品のラインナップが随分少なくなってきた。それに伴い、物価は日々高値を更新し続けた。地球滅亡だから仕方ないか、と思う一方で、まだ商品を供給する場所があるということは、地球滅亡を心のどこかで信じていない人か、或いはバカがつくほどのお人好しか、金の亡者だろう。ただ、今ある食品が明日はあるか分からない。昨日まであった食品が店頭から消えたとき、僕は一層地球の滅亡が現実味を帯びていることを感じずにはいられなかった。


買い物を終えると、コンビニに不良達が屯していた。この数ヶ月で日本も随分と治安が悪くなった。深夜にはバイクの騒音が鳴り響くし、ニュースでも連日、殺人事件や闘争が上がっていた。いずれ皆死ぬのに、死期を早めるなんて

最低だ。僕は憎しみを感じずにはいられなかった。ただ、僕はこの日憎しみよりも深く、驚いた事があった。

あの、アイドルの美玲ちゃんが、その不良グループの一員だった事だった。

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