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3話

「よし。それじゃあ、お互いの話をまとめるぞ」


「あ、ああ」


「私は君の担当死神で君が死んだから魂を導くために君に会いに行った。そこで君が死んでるのを確認し、導く前に気がついたらこの空間にいた。そして死んでたはずの君が生きていた。君の方は友人と遊びに出かけて、帰ってきてすぐにベットで寝て、起きたらこの部屋だったと…ふむ」


彼女。自称死神の女の子が顎に手を当て考え始めた。その姿があまりにも絵になっていたので危うく見惚れてしまいそうになったのは内緒だ。


「と、とりあえずいくつか質問があるんだけどいいか?」


僕は彼女の話を聞いてからいくつか疑問に思っていたことを彼女に聞くことにした。


「ん?なんだ?」


「えっと、君が死神って事は、わかったんだけど、そもそも魂を導くってどゆこと?死に方を視るって?」


「ああ。そこか。魂を導くというのは、まあ、死んだ人の魂を成仏させるってことだな。そうして成仏した魂は天国に行き、また生まれ変わりをもって現世に誕生することが出来る仕組みだ」


「なるほど…」


「あまりにも悪行を働いた奴は天国に行かせず地獄に導くんだけどな」


「え?それも死神の仕事なの?!」


「ああ。導く時にそいつの人生が濃縮された形で大体視れるんだが、それで天国に行かすか地獄に行かすか判断をするって感じだな。簡潔に言うと。あと、あまりにも現世に未練がある人間は導きを強く拒否してしまい、成仏出来ずに呪縛霊や運が悪ければ悪霊になってしまうという例外もあるんだがな。基本的には次の生まれ変わりを希望してくる魂を成仏させるのが私達、死神の役割だ」


「なんだか結構適当なんだな…死神のさじ加減で地獄行きもあり得そうじゃん…」


「私達は一応は神だからな。そこは諦めてくれ」


さらっと怖いこと言うなおい……


「あ、あとさ。もう一ついいです?」


「ふむ。普段なら一般人との交流は禁止されているんだが、今回は緊急事態だ。答えれる範囲でならなんでも答えよう」


「それじゃあさ!さっきからずっと気になってたんだけどさ」


「ふむ?なんだ?」


「アンタは僕の名前知っているのに僕の方はアンタの名前知らないって不公平じゃん!名前!アンタの名前教えてくれよ!」


そう言うと彼女は表情を変えずにこう言った。


「ない」


「…ほえ?」


だから名前だろ?私の?ないぞ。名前。そうだな…一応死神番号のNo.33695と呼ばれてはいるが」


え?名前がない?No.?なんだよそれ。なんか、あれじゃん。…。


「どうした。急に暗い顔をして。自分の醜さをやっと自覚したか?」


「ちげえよ!!そこまで醜くねえよ!…多分。ああ!もう!めんどくせえ!じゃあ死神って呼ぶからな!」


「ああ。好きに呼べばいい。私の方も好きに呼ぶから。とりあえずここから脱出出来るまでよろしくな。ヘタレ童貞君」


「その呼び方だけは勘弁して下さい!」


僕は人生で初めて女の子の前で土下座をした。

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