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名も無き星の冒険者  作者: 流水斎
ゲームとしての、ルール
71/85

シナリオ:部屋数の合わない倉庫:前篇

今度は、多少のリプレイ風味を含めて、シナリオを1つあげて見ます。

前篇では、シナリオの概要のみです。


キャラクター:

・鉄仮面先生(先生なので、フォローのみ)

・委員長

・ナデシコ

・他2人(男性キャラなので、台詞は割愛)


「一つ大きな教室が開いたのだけど、貴女のクラスで使ってみない?倉庫の整理が大変だけど」

「倉庫つきですか?悪くありませんし、別に構いませんけど…」

 校長室に呼ばれた女教師は、入るなり古風な巻物を寄越された。

 寄越した当人は、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。

 話を聞く限り、そこまで悪い話ではない様なのだが?


「いわくがあるとかじゃないのよ?出てった連中が、私塾を開いたのは腹が立つとしても。問題はね…、その倉庫は5部屋しか無いはずなのよ」

「…拝見しますが、明らかに七部屋ありますよね?まさか空間を広げてるんですか?」

 コクリと頷く校長を前に、女教師は茫然とした。

 前の住人が何をやったかは理解できるが、納得できるかは別物である。

 空間のモジュールと生成コマンドを組み合わせて、5部屋分を7部屋分に拡大してるのだ。

 いや、申告分が7つであって、実際にはソレ以上のサイズがあるだろう。


「お申し出はありがたのですが…。ウチの生徒に空間圧縮に巻き込まれて死ねとは言えません」

「言い出し難いんだけど…。出てった馬鹿は書類と申請書を先に提出して居てね、貴女のクラスに割り当てられるのは間違いがないわ…」

 女教師は思わず舌を打ちそうになった。

 もし、その顔を鉄仮面で覆って無ければ、顔色も変っていたはずだ。

 出て行った面々がキッチリした性格だったのか、あるいは彼女が嫌われていただけなのか…逃げ場は既に無かったということ。

 非公式に呼び出されて、事前に教えて貰っている以上は、校長を恨む訳にも行かない。


「判りました。少しずつ荷物を出して、安全圏を確保する事にします。中身は全部もらって良いのですよね?」

「そう言ってくれるとありがたいわ。…文句を言ってきたらこっちで対処するから、好きに処分して構いません」

 女教師は受け取り書類を預かると、さっそく自分の受け持ちクラスに戻る事にした。

 空間を広げる呪文に長時間の余裕があれば良い、だが無かった場合は…。

 受け取り訪れた瞬間に、壊れた教室の責任を負わされないからだ。

 いや、それだけならまだしも、生徒が死ぬのは避けたい所だった。



「みんな、居る?ようやく私達だけの教室が手に入るんだけどね、良い話と悪い話。どっちから聞きたい?」

「…先生。問題ありません、例の教室の話なら既に聞いて居ますので」

「幽霊屋敷なぞ恐れる物ではありませんわ。自分たち専用の設備を使えるのならば、挑むべきです」

 頼もしい事に、生徒たちは大枠の話を聞いているようだった。

 というより、幽霊屋敷と呼ばれるほどの施設とは聞いていなかったが…。

 まあ生徒たちの情報収集力に感謝して、さっそく皆で赴く事にしよう。


「…残りの2人は?朝には居たわよね」

「トレジャーハントだと張り切って、現地に行ってるのが1人。もう1人は買いだしですわ」

「向こうで待っていると思いますが、書き置きを残したうえで合流しに向かいましょう」

 こうして新しい教室を求めて、一同は行動を開始する。



ミッション『部屋数の合わない倉庫を探索せよ!』


1:ステージ

『鉄仮面先生』

「幽霊屋敷と呼ばれる教室だけど、問題は倉庫ね。

5部屋分なのに、7部屋の間取りがあるのよ。もちろん…申告を信じればの話。もっとあると想定すべきでしょうね」


『委員長』

「幾つかの可能性がありますけど、空間を生成して間取りを増やしていると思われます」


『ナデシコ』

『でも、そんな事可能ですの?あなたいつもおしゃってるでしょ?モジュールは物理現象の延長上だって」


『委員長』

「移民船の空間転移技術から、空間モジュールは作られてますけど…。

そうですね、物理現象なので、構造上ありえない入り組みはしてないはずです。…あくまで、間取りを拡張するレベルの使い方かな?」


『鉄仮面先生』

「貴重なモジュールだから、既に持ち出しているでしょう。その事を考えると、基部に設置して全体を広げるのではなく

呪文を持ち歩いて、毎日拡大してたのでしょうね。…となれば、場所は限られています。あなたたちは、その場所を特定して、荷物を取り除いてください」


『ナデシコ』

「判りましたわ。該当箇所の資材は破壊して取り出しても構いませんよね?…もちろん、場所を特定してからの話ですわ」


第一の目的:

 倉庫の構造を把握し、どこの空間が拡張されているかを掴む。

その後に、荷物を運び出していく事になるので、空間収縮やトラップや注意して取り出す事。


1回目の判定:

呪文構成:(モジュール干渉+テクニカル+呪文構文)


2回目の判定

判断力:(メンタル+スピード+判断力)


 この2つの判定の合計で、どれだけ手早く行動できたが決まります。(地図を参照すれば、+1のボーナス)

壁や柱を曲げたり、三次元的に歪んだりはしていませんが…。合計で誰も15以上を出せなかった場合は、面倒な事になります。

本来10mである所に、無理して13~15m分の荷物を放りこんでいる訳です。

中には荷物だけでなく、支柱や壁を足している所もあるでしょう。

時間切れになったり、間違えて支柱を倒さない為に、落ち着いて作業する必要があります。


2ステージ:

『鉄仮面先生』

「私は万が一に備えて、空間圧縮が始まったら、みんなを回収する呪文を維持します。

最悪の自体はソレで免れる事が出来るけど、そのぶん私は何も出来ませんから、注意してくださいね」


『ナデシコ』

「問題などあるはずはありませんわ。…万が一、ガードモンスターがいましたら、わたくしの力で粉砕してみせましてよ」


『委員長』

「相手がモンスターなら良いのですけどね。教室の倉庫である事を考えると、トラップかなあ」


第二の目的:

 危険地帯を把握したことで、実際に運搬作業を開始します。

ガードモンスターが召喚される可能性は0ではありませんが、その呪文にも空間モジュールが必要な為

流石にありえないと思われます。

その事から、あり得る話はトラップが仕掛けてあると言うもの。

もともと、魔術師たちが研究する施設の倉庫なので、暫く時間を稼げば、誰かが駆け付けてくるでしょうから。


器用:(肉体+テクニカル+器用)

判断力:(メンタル+スピード+判断力)


なお、この判定は探索判定ですので、クラス:勇者である場合は自動的に+2の修正が入ります。

当然ながら、罠探知の一般スキルを作成している場合は、+5の修正が加わります。


この判定のうち、どちらか高い方を使用して、10以上が必要とちします。

失敗した場合は、麻痺毒を受けてしましますので、体力で抵抗するか呪文で解毒する事になります。


体力:(肉体+パワー+体力)


解毒呪文:コマンド:『分解』(集合管理+逆転)、かつ薬物知識(記憶力ベースで10)

集合管理:砂

加算:重力

逆算:氷


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