シナリオ:部屋数の合わない倉庫:前篇
今度は、多少のリプレイ風味を含めて、シナリオを1つあげて見ます。
前篇では、シナリオの概要のみです。
キャラクター:
・鉄仮面先生(先生なので、フォローのみ)
・委員長
・ナデシコ
・他2人(男性キャラなので、台詞は割愛)
「一つ大きな教室が開いたのだけど、貴女のクラスで使ってみない?倉庫の整理が大変だけど」
「倉庫つきですか?悪くありませんし、別に構いませんけど…」
校長室に呼ばれた女教師は、入るなり古風な巻物を寄越された。
寄越した当人は、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。
話を聞く限り、そこまで悪い話ではない様なのだが?
「いわくがあるとかじゃないのよ?出てった連中が、私塾を開いたのは腹が立つとしても。問題はね…、その倉庫は5部屋しか無いはずなのよ」
「…拝見しますが、明らかに七部屋ありますよね?まさか空間を広げてるんですか?」
コクリと頷く校長を前に、女教師は茫然とした。
前の住人が何をやったかは理解できるが、納得できるかは別物である。
空間のモジュールと生成コマンドを組み合わせて、5部屋分を7部屋分に拡大してるのだ。
いや、申告分が7つであって、実際にはソレ以上のサイズがあるだろう。
「お申し出はありがたのですが…。ウチの生徒に空間圧縮に巻き込まれて死ねとは言えません」
「言い出し難いんだけど…。出てった馬鹿は書類と申請書を先に提出して居てね、貴女のクラスに割り当てられるのは間違いがないわ…」
女教師は思わず舌を打ちそうになった。
もし、その顔を鉄仮面で覆って無ければ、顔色も変っていたはずだ。
出て行った面々がキッチリした性格だったのか、あるいは彼女が嫌われていただけなのか…逃げ場は既に無かったということ。
非公式に呼び出されて、事前に教えて貰っている以上は、校長を恨む訳にも行かない。
「判りました。少しずつ荷物を出して、安全圏を確保する事にします。中身は全部もらって良いのですよね?」
「そう言ってくれるとありがたいわ。…文句を言ってきたらこっちで対処するから、好きに処分して構いません」
女教師は受け取り書類を預かると、さっそく自分の受け持ちクラスに戻る事にした。
空間を広げる呪文に長時間の余裕があれば良い、だが無かった場合は…。
受け取り訪れた瞬間に、壊れた教室の責任を負わされないからだ。
いや、それだけならまだしも、生徒が死ぬのは避けたい所だった。
「みんな、居る?ようやく私達だけの教室が手に入るんだけどね、良い話と悪い話。どっちから聞きたい?」
「…先生。問題ありません、例の教室の話なら既に聞いて居ますので」
「幽霊屋敷なぞ恐れる物ではありませんわ。自分たち専用の設備を使えるのならば、挑むべきです」
頼もしい事に、生徒たちは大枠の話を聞いているようだった。
というより、幽霊屋敷と呼ばれるほどの施設とは聞いていなかったが…。
まあ生徒たちの情報収集力に感謝して、さっそく皆で赴く事にしよう。
「…残りの2人は?朝には居たわよね」
「トレジャーハントだと張り切って、現地に行ってるのが1人。もう1人は買いだしですわ」
「向こうで待っていると思いますが、書き置きを残したうえで合流しに向かいましょう」
こうして新しい教室を求めて、一同は行動を開始する。
ミッション『部屋数の合わない倉庫を探索せよ!』
1:ステージ
『鉄仮面先生』
「幽霊屋敷と呼ばれる教室だけど、問題は倉庫ね。
5部屋分なのに、7部屋の間取りがあるのよ。もちろん…申告を信じればの話。もっとあると想定すべきでしょうね」
『委員長』
「幾つかの可能性がありますけど、空間を生成して間取りを増やしていると思われます」
『ナデシコ』
『でも、そんな事可能ですの?あなたいつもおしゃってるでしょ?モジュールは物理現象の延長上だって」
『委員長』
「移民船の空間転移技術から、空間モジュールは作られてますけど…。
そうですね、物理現象なので、構造上ありえない入り組みはしてないはずです。…あくまで、間取りを拡張するレベルの使い方かな?」
『鉄仮面先生』
「貴重なモジュールだから、既に持ち出しているでしょう。その事を考えると、基部に設置して全体を広げるのではなく
呪文を持ち歩いて、毎日拡大してたのでしょうね。…となれば、場所は限られています。あなたたちは、その場所を特定して、荷物を取り除いてください」
『ナデシコ』
「判りましたわ。該当箇所の資材は破壊して取り出しても構いませんよね?…もちろん、場所を特定してからの話ですわ」
第一の目的:
倉庫の構造を把握し、どこの空間が拡張されているかを掴む。
その後に、荷物を運び出していく事になるので、空間収縮やトラップや注意して取り出す事。
1回目の判定:
呪文構成:(モジュール干渉+テクニカル+呪文構文)
2回目の判定
判断力:(メンタル+スピード+判断力)
この2つの判定の合計で、どれだけ手早く行動できたが決まります。(地図を参照すれば、+1のボーナス)
壁や柱を曲げたり、三次元的に歪んだりはしていませんが…。合計で誰も15以上を出せなかった場合は、面倒な事になります。
本来10mである所に、無理して13~15m分の荷物を放りこんでいる訳です。
中には荷物だけでなく、支柱や壁を足している所もあるでしょう。
時間切れになったり、間違えて支柱を倒さない為に、落ち着いて作業する必要があります。
2ステージ:
『鉄仮面先生』
「私は万が一に備えて、空間圧縮が始まったら、みんなを回収する呪文を維持します。
最悪の自体はソレで免れる事が出来るけど、そのぶん私は何も出来ませんから、注意してくださいね」
『ナデシコ』
「問題などあるはずはありませんわ。…万が一、ガードモンスターがいましたら、わたくしの力で粉砕してみせましてよ」
『委員長』
「相手がモンスターなら良いのですけどね。教室の倉庫である事を考えると、トラップかなあ」
第二の目的:
危険地帯を把握したことで、実際に運搬作業を開始します。
ガードモンスターが召喚される可能性は0ではありませんが、その呪文にも空間モジュールが必要な為
流石にありえないと思われます。
その事から、あり得る話はトラップが仕掛けてあると言うもの。
もともと、魔術師たちが研究する施設の倉庫なので、暫く時間を稼げば、誰かが駆け付けてくるでしょうから。
器用:(肉体+テクニカル+器用)
判断力:(メンタル+スピード+判断力)
なお、この判定は探索判定ですので、クラス:勇者である場合は自動的に+2の修正が入ります。
当然ながら、罠探知の一般スキルを作成している場合は、+5の修正が加わります。
この判定のうち、どちらか高い方を使用して、10以上が必要とちします。
失敗した場合は、麻痺毒を受けてしましますので、体力で抵抗するか呪文で解毒する事になります。
体力:(肉体+パワー+体力)
解毒呪文:コマンド:『分解』(集合管理+逆転)、かつ薬物知識(記憶力ベースで10)
集合管理:砂
加算:重力
逆算:氷




