表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名も無き星の冒険者  作者: 流水斎
第一章
19/85

パワー!

「この山間で土煙?念の為に消し飛して……っと信号弾?」

 翌朝、帰還中のサルマンデルが奇妙な土煙りを見つけた。

 居住区へ戻る最中の道だが、道と言っても獣道と大差の無い山間だ。

 その状態で土煙があがるのだとしたら、何事だろうと攻撃呪文を叩き込もうとした時。

 向こうから慌てて制止するように信号があがり、誰かと思えば昨日有ったばかりの人物であった。

「獣か何かが向かって来ると思ったら、貴方でしたか伯爵」

「おお、君を探しに行く所だったのだよ」

 血相を変えた彼は中型の獣の上にまたがっており、その姿は奇妙に似合っていた。

 流石は伯爵と呼ばれる物腰ではあるな、と場違いな事を思いつつ、改めて何事か尋ねる事にした。

 まずは何の為に探しに来たのかと、またがっている獣は何かである。


「ひとまずお話を聞くとして、何の御用でしょうか?」

「うむ。当然の疑問を考えて、コイツの事を先に話すとクロガネ達の技術開発が成功してな。その内の1つで獣を操る事が出来るようになったので、恐竜や獣の巣を壊滅させては困るので止めに行く所だったのだ」

 …そう言えば、昨日出会った時に恐竜の卵を持っていた気がする。

 育てて訓練するつもりなのかと思ったが、そこまで気は長く無く、他の手段を模索していたようだ。

 まあ複数の目的と手段を並行させるこの男の事、どれかが成功すれば良いと言ったところだろうが…。

「それは重畳ですね。前にクロガネ達が言っていた、スタッフの改良が軌道に乗ったのですか……。作業領域が軽くなると有りがたいのですが」

「種別にもよると思うが、君の要望は概ね叶えられるはずだ。判り……、特化している分、最初に調整したと言っていたからな」

 判り易くて悪かったな…。

 そうは思いつつ、サルマンデルは伯爵の思惑を見透かした。

 騎乗獣の類は便利だが、本当は隠し玉にしておいて自分の発言力を高めたかったはずだ。

 それなのにこのタイミングで見せるのは、判り易い力として見せつける事と、翼竜の事が惜しいと思ったに違いない。

 権力欲を持ちつつも、それを隠せないで居るこの男こそ、判り易い悪役なのだろう。


「そういえばアドベンチャーから幾つかの攻略すべきポイントを聞きましたが、何処から組み入れて行きますか?」

「君はせっかちだな。新しい力を手に入れれるのだから気持ちも判るが、まずは習熟訓練から始めたらどうだね?手頃な群生地もあるだろう」

 殲滅しては困ると言った端から、伯爵は自分の都合良い様に話を入れ変えて来た。

 この判り易さで実は黒幕だったら大した役者だが、借りに便乗犯だとしたら、功績を見せつけて自分の天下を造りたいのだろうかと首を傾げる。

 …そこまで考えた段階で、サルマンデルはらしくもなく自分が事故と事件を混同している事にようやく気がついた。

「なにはともあれ戻りましょう。改良の内容を見ない限り何とも言えません。その把握度合いに応じて決めさせてもらいますよ」

「うむ。赴くのは君だしな。大規模な群生地や危険地域の開拓は総員で当たるべきだが…。まあその時まではコイツが戦えるようには躾けて置こう」

…なんだ、騎乗までで戦闘させるのは無理なのか。

 そう口にしつつ、サルマンデルは目の前の男も、大規模な目標を探している事に気がついた。

 どこかでドミネーターの全員が投入されるような事態が起きる。

 きっとその時が、いまだ黎明期の開拓作業が軌道に乗る時、…そして事故の調査に決着がつくと気なのだろう。

 言葉には出さす、思いを秘めたまま居住区へと帰還して行った。


「おお、案外に早く戻って来たじゃないか。お前さんの用意してある。まずは座っとけ」

「…具体的にどう変わったのかをお願いします。細かい調整に関しては、実地で試しますので」

 そう言う所はあの男と変わらんなあ。

 居住区に戻って一番の会話で、クロガネですらこう言って来た。

 恐らくは自分で思っている以上に隠しきれてないのだろうと、思いを隠しているつもりのサルマンデルは苦笑する。

 まあ必死で否定する段階から、隠しておくつもりに代わっただけ、進展したといえよう。

「簡単に言うとだ、干渉力に方向性を持たせる。こいつ自体を弄るから、基本部分は簡単には替えられんから気をつけろよ?…まあお前さんの性格を考えたら無駄な事かもしれんが」

「判ってるなら言わないでください。それに簡単に変更する様な決断はしません」

 いつもの会話を繰り広げながら、クロガネはの小物を並べ始めた。

 幾つかの手彫り人形。火トカゲに騎士などなど。

 そして宝石とインゴットが別の列を作る。


「自分の役割に応じた干渉力の方向性が決まる。まさにキャラクターだな。で、こっちがモジュール属性の付与と、フィジカル系の強化だと思ってくれ」

「と言う事はこのフィギアがスタッフの個性、ルビーだと火属性のチャージ、鉄のインゴットだと装甲の強化と言う感じですか?」

 簡単な例えながら、二人の認識は一致した。

 基本は簡単だ。

 宇宙服に付けるツールにだって傾向があり、大きな物を運ぶ時と、焼いたり切ったりするツール、そして戦闘も兼ねる物は別物である。

 同様にこのツールにも、火力重視だったり便利系の操作が別物になっているのだろう。

 あとは自分の役割に最も相応しい、あるいは自分の相性に最も合致した物を選び、細かい調整をするだけである。


ゲーム風解説第9回


@キャラメイキング

やっとキャラ作成ルールが出来て来たという展開で

この技術の導入後は格段に便利になって来る。

モジュールをコントロールする技術そのものは変わらないが、特定の方向に特化した方が行動はし易くなる。

キャラクター(個性)というものを作業鞄、スタッフに導入することで、熟達と使い勝手を早めた訳である。


基本作成は、以下の手順


0:クラス選択:

キャラクターの得意分野を決める。

基本能力を取得し、その特典の方向性によって、2以降を決定する。


以下の選択は自由。コスト次第

1A:ジュエル系:モジュール系の強化素材を決定し、呪文の属性・能力補正を取得する

1B:インゴット系:肉体系の強化素材を決定し、フィジカル能力に大幅な修正を得る

2:門派・流派:モジュールへ干渉し、呪文を扱いやすくする門派。フェィジカル系に修正を与える技の流派を取得する。

3:各種スキルを取得する。

4:アイテムを取得する


ジュエル(宝石)、インゴット(金属)の素材は概念的な物で、実際に使っている訳ではない。

ざっと簡単に、最後のサルマンデルの説明すると


ルビーのジュエル素材:

 火属性の呪文が使えるようになり、呪文のダメージに補正が入る。

鉄のインゴット素材:

 肉体系能力が上昇し、装甲も付与される。


サルマンデルが選ぶ精霊のクラスはジュエル系3つでクラススキル無しなので

ルビーx3で、火属性3つの呪文ダメージ●px3となる。

逆にインゴット素材3つである、ゴーレムのクラスで鉄x3を選択すると

肉体系修正値x3、装甲●px3となる。


数値例:

この●を仮に2、基本ダメージをサイコロ2つ分くらいと仮定すると

1:サイコロx2個+6ダメージ。の攻撃呪文

2:6pの基本装甲。+して鎧の修正が入る。

と言う感じなる。

こういった修正は他の素材では無いのと、サイコロの平均値は7または8なので

与えるダメージは約二倍、あるいは通常攻撃はほぼ無効…と言う感じになるわけである。

(もっとも、精霊・ゴーレムともにクラススキルがとれないので、不便だけど素の能力が強い系統となる)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ