漲ってきた
ので、書くことにします。
まぁ、ランダム世界、ランダムキャラ設定で、俺的の仮想空間で話が自動的に作られるようにオート化した。以前も言ったように、俺は疲弊しきってるので主人公はパスだ。外から眺めている。
かつて、サルビア大陸にジャミ族と呼ばれる暗黒の民がいた。
彼らは人間とは全く異なる相貌と独自の文化をもち、人間族とこの大陸を二分する勢力であった。
だが、サルビア城の王ビアンカ8世はそれまで共存していたジャミ族を忌み嫌い、ある日兵を集めて彼等に戦争をしかけた。ジャミ族は奇襲に遭って、悉くその命を散らしていった。そして、終始劣勢のまま、傷を負いながらも生き残ったジャミ族は、サルビアの北の果てにある『悪魔の口』と呼ばれる大地に開く大きな亀裂の中に逃げ込んだ。
それから悠久の時を経た今、彼等の存在も人々の記憶から抜け落ちていった。長い年月のうちに彼等は絶滅したように伝説では語られるようになり、現在ではジャミ族の話は吟遊詩人の歌を通して哀切の篭った旋律とともに悲話として登場するのみとなった。
「爺さん、ジャミ族ってどんな種族だったの? 」
「さぁな、サルビア王家の城の壁画に描かれているのは、とてつもない大きな蛇だったり、見たこともない化け物だったり、まぁ色々いたようだな。絵を見る限りじゃ凶暴そうな種族じゃわい」
「ふーん」
俺は祖父マイルの話を聞いて、そのジャミ族に興味が湧いていた。
一匹だけでも捕まえられないだろうか。
そんな異形のものなら、見世物小屋で客集めて芸の一つでもさせりゃ大金が転がり込んでくる。
ボロイ商売だ。
「くくく……」
何だか胸が高鳴るじゃないか。
あぁ、そいつ等捕まえたい。
だけど、もう絶滅しちまってるらしいから無理か。
「ピロ様! 」
俺が少し消沈していると、隣町で奴隷商に売ってもらった女が入ってきた。
「セルフィか」
長い黄金色の髪を後ろで編むように束ねて腰の辺りに垂らした少女。
美人ってほどでもないが、まぁ、可愛い部類に入るし尻もでかけりゃプロポーションも良い。
俺の召使としては合格水準に達してたので、大金はたいてこの家に連れてきた。
「あのー言いにくいんですが」
「どうした? 」
「キッチンが燃えています」
「はぁ? 」
俺は背中に薄ら寒いものを感じながら、キッチンに走った。
「うわあ、燃えてるじゃん、ひでぇ」
「ご、ごめんなさい」
「お前~! 謝ってすむことか! 」
「じゃ脱ぎます」
「ぶ! 」
彼女が肩を露出しただけで、俺は鼻血が滝のように吹き出た。
「止めろ、馬鹿」
ふ、格好つけているが、俺はまるで女に耐性がないのだ。
「えーっと、どこだっけ」
俺は着ている動物皮の衣服のポケットを弄って、魔玉『水の玉』を取り出して、
腰に巻いてある魔道ベルトに嵌めた。
そして、右手の平を火勢の激しいキッチンに向けて翳した。
「ウオーターウォール」
俺が叫ぶと、虚空に突然、大量の水が発生して部屋を覆う炎をは怒涛のごとく飲み込んだ。
「どうやって、ああなったんだ? 教えてみ? (ニコ」
「怒らないですか? 」
「バーカ、俺は心が大きいんだ(ニコ」
「じゃあ言います」
セルフィはぼそぼそっと呟くが、俺の耳には届いていない。
イラ。
「で~……」
イラ×2
「だから~」
もう限界だ。
「もういい! 後は俺が始末しとくから」
投げやりにセルフィに言った。
煤がついた壁を見渡しながらため息をつくと、俺は黙々と焦げた原形を留めない物体を生ゴミ処理用の金属製の樽に捨てた。
どうせ、火の魔術を誤って暴走させたんだろう。