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アパート到着。

あ、前の見直したらテリーって名前連発していますが、

間違いです。テリー=輝です。いつからか代わりました。

発音が似てるからです。訂正は面倒なのでしません。

主人公の弟輝だけで事足りるとは思いますが……

 

 シルバーのハイエースで見知らぬ住宅街に乗り入れ、問題のアパート前に到着。

 運転手はもちろん所長だ。

 あれから少しして真琴もやってきて、事務所を出発。時間にして1時間の道程だった。

「真琴、後は頼むよ」

「はい」

 所長は窓から顔を出して、俺達3人を笑顔で送り出した。

 そして、エンジンを再びかけて、狭い通路をバックで出ていく。

 方向転換を終えたハイエースが右折するのを俺達は手を振って見送った。

 また昼頃迎えにきてくれる予定だ。


 真琴はいつもと同じ、白いブラウスに黒っぽいタイトスカートという身なりだ。

 ブラウスは夏用の薄手のもので、真琴の細身だが大きめの胸から、きゅっとしまった腰、細い足までの理想的な曲線美は今日も健在だ。

「真琴さぁ、君も高校生だろ、何でその格好? 」

 俺達は綿パンに半袖、キャップと、ラフな格好だ。

 兄弟して、お洒落というものに縁がない。

「私は一応あの事務所であなたたちを教育する立場だし、事務所の顔として、依頼主と会うのだからこの服装は当然よ。所長は接客の身だしなみには結構うるさいの」

 所長のあの身なりのセンスを鑑みて、ふーん、なるほどとは俺は納得しにくいが、

「なるほどー! 」

 予想に反して、輝は妙に感心した風に頷いた。


「さてと、行きましょうか」

 磨耗したコンクリートの上に建つ2階建てアパート。

 一階に3つの扉、2階にも同じ数。合計6部屋。

 2階の廊下の全面は波板で覆われている。

 一階部分の縁にあるこじんまりしたスペースに土が埋められてあり、

 そこにある寂しげな植栽が殺風景な建物の脇にささやかな緑を添えていた。

「どうも、はじめまして、前田探偵事務所からやってきました三沢真琴と言います」

 真琴は深々と大家に頭を下げて名刺を渡した。

「おぉ、こらまたべっぴんさんやな。こんな若い子が来るとはおもてなんだ」

 丸い禿頭の頭の下に太い白髪の眉、その下に蹲る奥まった黒い瞳。

 年の頃、70がらみの大家は、頬の辺りに穏やかな微笑を湛えている。

「そちらの少年達は? 」

 真琴の後ろでぼーっとしていた俺達に大家は気づいた。

「今回の除霊にあたるスタッフです」

「こ、こんな若い子達が……」

 大家は微妙に表情を動かし、陰影を口元に拵える。

 真琴の肩口から値踏みするかのような視線をこちらに投げてくる。

 たぶん、俺達の顔貌を一目見て不安に思ったんだろう。

 びりびり伝わってくる……こいつら大丈夫かよって。

 その大家の変化に気づいた真琴が、慌てて口を開いた。

「あ、あぁあ! 大家さん、し、心配しなくて大丈夫です! こうみえても彼等はその道のプロフェッショナルです。陰陽師って聞いた事ありませんか? 」

「平安時代の祓い師じゃったかの? 」

「そうです! 彼等こそ平安の世から連綿と受け継がれた陰陽道を極めたスタッフなんです。幽霊相手なら、彼等からすれば赤子を捻るようなものです! ご心配なさらないでくださいね♪ 」

 ちょっと、いきなりそんなプレッシャーきついよ! まこっちゃん!

 

 


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