だる。
「なんか、金金金っていけすかねぇなぁ」
「かもね」
俺達は前田の事務所から帰ってきた。
話を聞いてみたはいいが、
前田は幽霊を金儲けの道具としか思っていないようだ。
仕事内容に関して言うと、まだ発想の段階でしかない。
探偵事務所の仕事に失踪者探しはあるが、どうやら、その延長のような仕事になるようだ。
やはり前田は特別な能力を持っていた。
それは失踪者の写真を見れば、現在死んでいるか生きているかを判別できるらしい。
写真を指でなぞらえれば、生死にかかわらず相手の場所の検討は大体つくそうだ。
俺達は失踪者が死者である場合に現地へ赴き、以下のことをする。
行方不明者の幽霊と交渉。
場所を見つけたことを依頼者に知らせ警察に通報。
依頼者の申し出があれば、死因の特定。
殺しである場合、犯人がいるなら、見つけ出す。
見つけた後は、霊的攻撃で相手の精神を弱らせ、警察に自ら行くよう仕向ける。
もしくは、揺すって金を奪う。
依頼以外でも近場を回って金の結びつきそうな霊の探索。
その方法はまだ未定。
まぁ、お粗末なものだ。
生業としているのだから、仕方ないが全ては金と結びつかないといけない。その上、あまりに危険だし、グレーゾーンに足を突っ込んでるわで、なんか適当にあしらって帰ってきたのであった。